凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月2日=パリロンシャン)に出走する世界ランキング5位のタイトルホルダー(牡4、栗田)が14日、美浦トレセンで国内最終追い切りを行った。僚馬相手の追走遅れも問題なし。15日に歩様などの確認を行った後、16日に決戦の地フランスへ輸送される。

夜明けを待つ美浦ウッドに重く、低い蹄音が響く。タイトルホルダーがハッピーアナザー(古馬1勝クラス)目がけてスピードに乗った。はるか前方を行く僚馬には2馬身遅れて入線し、そのまま緩めず1角付近まで勢いを保った。5ハロン65秒5-11秒8。1週前より、加速は滑らかになった。栗田師は「今日は抜け出さないように、と。まだやれば動きそうだけど、これくらいで止めた」と話した。

世界の注目度は変わらず高い。先週末に欧州各国で前哨戦が行われても、評価は高値安定だ。英ブックメーカーのウィリアムヒル社は昨年覇者トルカータータッソに並ぶ4番手に位置付ける。栗田師は「走りもピッチで無駄のない動きをするし、(馬場を)苦にするタイプじゃないかな、と。深いウッドでもしっかり動けるので」と展望する。近親には15年優勝馬ゴールデンホーンがいる、ばりばりの欧州血統。長らく日本馬に立ちはだかる厳しい舞台でも、気後れなどしない。

日の丸を背に旅立つ。16日に成田空港からフランスへ。大一番までの丸々2週間を現地の小林智厩舎を拠点として調整を進める。栗田師は「2本くらい向こうでできると思います。もう1段階、向こうで上げられれば。本当に順調にこられてよかった」と胸をなで下ろす。当週には横山和騎手と追い切りを行う予定。着々と、大舞台への準備が進んでいる。