2月限りで騎手を引退し、この日が国内最終騎乗日の福永祐一騎手(46)が1番人気ペリエール(牡、黒岩)を勝利に導いた。

中団の前めを追走し、直線では激しくたたき合う先行馬を外からぶち抜いた。勝ち時計は1分37秒2。

砂煙を上げ、福永騎手とペリエールが残り100メートルで先頭に立った。1完歩ごとに歓声が熱を帯び、拍手が増していく。国内騎乗ラストデー。ファンもこの瞬間を待っていた。

「その背中には福永祐一騎手です!」。ゴール直後、場内に実況アナウンサーの声が響く。また、拍手が大きくなった。

福永騎手は検量室前に帰ってくると開口一番に「良かった」と笑顔。「コンディションは良かったし、競馬も上手に走ってくれた。完勝でした。いい形で成長してくれている。次乗れないのに、未来のある馬に乗せてもらって本当にありがたい」と感謝の言葉を口にした。

重賞競走以外では珍しいほどの声援に沸いた。地下馬道へと戻る道すがら、福永騎手は盟友・川田騎手と馬上で握手をかわし、スタンドに頭を下げた。JRA通算2636勝目。近づく別れを前に、自ら花を添えた。