25日深夜、メイダン競馬場で、今度はJAPANの馬たちがドバイ国際競走で“世界一”を目指す。注目の「人」を取り上げる「侍ホースマン」の第3回は、ドバイターフ(G1、芝1800メートル)にダービー馬ドウデュース(牡4)を送り出す友道康夫調教師(59)にスポットを当てる。

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ヴィブロス以来6年ぶりのドバイ勝利へ-。友道師はドウデュースを楽しみを持って送り出す。

充実が著しい。10月の凱旋門賞後の休養で馬がパワーアップを遂げた。大事を取ってジャパンCや有馬記念を回避したことがいい方に向いたのか、急激に馬が良くなったという。

「ダービー前よりやんちゃな部分が出てきた。体もプリッとしていて、すごく元気がいい。それにもまして追い切りの動きもいい」

友道師のその言葉は調教時計に顕著に表れる。2日の国内追い切りでは武豊騎手を背にCウッド6ハロン83秒2-10秒6をマーク。ラスト1ハロンの時計は同コース史上最速タイ(自動計測以降)で、レジェンドでさえ「馬ってこんなに速く走れるんだって思った」と舌を巻いた。師も「ダービー前よりも、よりピッチ走法になったし、回転力が出てきた」と走りの進化を実感する。

ドバイの地は血統的にも好相性だ。父ハーツクライは06年ドバイシーマCを、その産駒ジャスタウェイは14年ドバイデューティフリー(現ターフ)をそれぞれ制している。「ハーツクライの子は気持ちが長く持続する感じ。だから輸送しても強いし、落ち着きもあるんじゃないかな」と師は分析する。ドウデュースにとっては9日にこの世を去った父ハーツにささげる勝利を狙う一戦にもなる。

前哨戦の京都記念は、楽な手応えで3馬身半差の快勝。ダービー馬の力を見せつけた。「前走は調教でも動いていたけど、それ以上の強い勝ち方だった。期待を持ってドバイに行けるなと思う」。勝利をつかむ準備は整った。【下村琴葉】

■ドウデュースは元気いっぱい

ドウデュース(牡4、友道)は角馬場で長めのキャンター。友道師は「日本でもしっかり仕上げてきましたし、土曜日に強めの調教を行ったので軽めの調整を行っています。馬は元気いっぱいです。明日は芝コースに入れる予定です」とコメントした。完勝した前走・京都記念の勢いそのままに、ダービー馬が海外G1初タイトルを見据える。