開業4年目の小手川準調教師(51)が、名手とのタッグで3度目のG1へ挑む。

天皇賞・春(G1、芝3200メートル、30日=京都)に管理馬のヒュミドール(セン7)を出走させる。G1には昨年の大阪杯に同馬(15着)で初挑戦。オークス(ニシノラブウインク8着)以来の大舞台に「私は競馬ファンからこの世界に入ったので、天皇賞という最高峰のレースに管理馬を出走させられることは誇りに持っていますし、うれしく思っています」と喜びをあふれさせた。

鞍上には、いわずと知れたレジェンドを確保した。当レースに過去28戦し8勝を挙げる“盾男”武豊騎手(54)だ。師は「私の世代としてはヒーローなので、乗ってもらえるだけでわくわくです。思い出のレースは…ありすぎますね」と目を輝かせる。管理馬には今年1月に初騎乗し過去2度騎乗。2度目の騎乗ではニシノトレンディーで2着に入った。師は「豊さんにふさわしい馬を用意しないといけないと常に考えていて、ようやくそういった管理馬が出てきたと思います」と着実なステップアップを実感する。

ヒュミドールは武豊騎手の弟である栗東・武幸四郎厩舎からの転厩馬。「開業当初から厩舎を引っ張ってきてくれた存在。ただ、重賞2着3回とタイトルを取らせてあげられていないので、そこは本当に調教師として悔しい、情けないなという思いはあります」と胸の内に燃えるものを秘める。

転厩後、関西圏には阪神へ3度の輸送経験があるが、いずれも2桁着順。今回は万全を期して、木曜の早朝に栗東入りし、京都競馬場には当日輸送する。改装直後の高速馬場を想定し機動力強化へ最終追い切りを3年ぶりにウッドから坂路へ変更した。「輸送を考慮した面もありますが、攻めの姿勢でやりました」と力がこもる。

G1を含む重賞挑戦は今回で26度目。「開業当初は重賞初制覇のチャンス、と記事にしてくれましたが、幸い何度も重賞挑戦して25回以上挑戦していると、だんだん最近は記事にもしてくれなくなってきたので…」と苦笑いを浮かべる。ダイヤモンドS2着と超距離適性を見せ、当レース過去10年で種牡馬別最多4勝のステイゴールドの血を引くオルフェーヴル産駒。師と名手の思いをのせ、新装開店の淀で波乱を巻き起こす。

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