近年の傾向とは異なる乾いた馬場で行われ、エースインパクト(牡3、J・ルジェ、父クラックスマン)の勝ちタイムは2分25秒50という好時計だった。

フランスギャロの公式ホームページで公開されているトラッキングレポートによると、勝ったエースインパクトのラスト3ハロンは最速タイの33秒06(3着オネストと同じ)。約533メートルの平たんな最後の直線はハイレベルな瞬発力勝負になっていた。

「フォルスストレートで、すごくリラックスして走っているのが分かったし、馬が走りたがっていて、ボタンを押したら、すぐに離陸(テイクオフ)してくれました」とC・デムーロ騎手は直線の加速を独特の表現で振り返った。

エースインパクトの父は14戦無敗の怪物フランケルの初年度産駒で、自身は現役時に英チャンピオンSを連覇したクラックスマン。2着ウエストオーバー、3着オネストはどちらもフランケル産駒。今年の凱旋門賞はフランケルの血を持つ3頭が上位を独占する結果になった。

道悪だった一昨年も3着ハリケーンレーン、昨年も勝ったアルピニスタがフランケル産駒。馬場状態を問わず、凱旋門賞はフランケルの血に逆らえない結果となった。

4着に入った日本のスルーセブンシーズは直線入り口で14番手のポジション。上がり3ハロンの数字はエースインパクト、オネストに次ぐ33秒30だった。馬群をさばきながら、初めての欧州の競馬、ロンシャンで見せた鋭い脚。あらためてステイゴールドの血が持つ海外適性を証明するとともに、宝塚記念からの直行ローテ、G1未勝利という実績であっても、日本のトップホースが凱旋門賞でしっかりと戦えることを示してくれた。