カナダを拠点に活躍する日本人の福元大輔騎手(26)が2日にジャマイカで行われる現地のG1競走、ムーテマイル(ダート1600メートル、16頭立て)に騎乗することがわかった。舞台は首都キングストンのケイマナスパーク競馬場で、ムーテ・マイルは今年が2回目の新しい招待競走。福元騎手はパーフェクトブルー(セン4、父バーンアイデンティティ)とのコンビで挑む。

福元騎手は鹿児島県出身。騎手を目指して海を渡り、20年に「カナダ版ダービー」と呼ばれるクイーンズプレート(今年からキングズプレートに改称)を日本人初制覇(マイティーハート)。21年にはウッドバインマイル(タウンクルーズ)でG1初制覇を果たし、今年も重賞2勝を挙げている。カナダ競馬のシーズンオフは積極的に海外を転戦しており、昨年は米国西海岸のサンタアニタ競馬場でG3サンシメオンSを勝利。フランスや中東バーレーンなどでも騎乗した経験を持つ行動派だ。今回の挑戦について聞くと、「ウッドバインで一緒に騎乗しているジャマイカ出身のジョッキー(シェーン・エリス騎手)に声をかけていただき、以前から映像でジャマイカの競馬を見て興味を持っていたことも招待を受ける決め手になりました。親日家な国なので、楽しんで過ごせています。体調を整えて、頑張りたいです」と力強い答えが返ってきた。

日本からは想像がつかないジャマイカの競馬だが…、「競馬人気は高いです。(自身が拠点にしている)ウッドバインやニューヨークもジャマイカ出身の方が競馬場でたくさん働いています。僕も知りませんでしたが、こちらには生産牧場もありました。(言葉は)みんな英語を話しています。ケイマナスパーク競馬場の馬場はダートのみですが、近々、芝コースも作る計画があるそうです。(ムーテマイルでコンビを組む)パーフェクトブルーなど何頭か調教に騎乗しましたが、コースは乗りやすくて広いです」と好印象を口にする。

ジャマイカは「インターナショナル・カタロギング・スタンダード」でパート3国のため、格付けは「ジャマイカ国内限定のG1」(ローカルG1)になるが、このレースには米国からトップジョッキーのジュリアン・ルパルー騎手(19年に日本のワールドオールスタージョッキーズに出場)も参戦。福元騎手も同日は11レース中、10レースで騎乗依頼があり、現地メディアのインタビューを受けるなど、大きな注目を集めている。

日本との時差は14時間で、メインのムーテマイルは現地時間の2日(土曜)、午後4時45分発走予定となっている。カリブ海に浮かび、レゲエ(ボブ・マーリー)や陸上競技(ウサイン・ボルト、マリーン・オッティなど)、ボブスレー(クール・ランニング)で知られる国ジャマイカ。福元大輔騎手の新たなチャレンジに注目したい。【木南友輔】