2番人気のウィリアムバローズ(牡6、上村)が、1番人気オメガギネス(牡4、大和田)を直線の攻防で退け、重賞初制覇を果たした。勝ち時計は1分49秒2。

年明け3週間で6勝とスタートダッシュを決めた上村厩舎は、今年の重賞初勝利。今後は優先出走権を得たフェブラリーS(G1、ダート1600メートル、2月18日=東京)などを選択肢に、次戦を決定していく。

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新興勢力の勝負を堂々と受け、力ではねのけた。6歳馬ウィリアムバローズが、直線で4歳馬オメガギネスとの一騎打ちを制した。2戦連続3度目のコンビとなった坂井騎手は「3番手にオメガギネスがいることは分かっていたので、それをしのいでくれればと思っていた。迫られてからも突き放してくれたし、強かったと思います」とたたえた。

レース内容も成長が見えた。スタートから周りの様子をうかがう余裕を見せながら、馬なりで2番手を確保。「手応えは良過ぎるくらいで、うなっていた」と鞍上が振り返るように、3角では持ったままで先頭に立った。外にはピッタリとオメガギネス。直線は馬体を併せられたが、二枚腰で再びリードを取った。前走は普段と違う中団からの競馬でも結果を出し、上村師は「前走の競馬も生きたと思う。堂々と真っ向勝負で強い競馬だった」。自在性が加わり、その余裕が最後の粘りにつながった。

昨年は開業5年目でキャリアハイの40勝を挙げた上村厩舎。今年も開幕3週間で6勝とスタートダッシュを決めた。師は「厩舎内も活気があるし、勝ってくれていい相乗効果。厩舎も盛り上がるね」と笑顔を見せた。

ウィリアムバローズは4度目の重賞挑戦で初タイトル。「重賞を勝たせたかった馬。完成してきたと思うし、今後も楽しみ」と力を入れれば、坂井騎手も「もうひとつ上のクラスでも頑張ってくれると思う」と期待を込める。今後は優先出走権を得たフェブラリーSなども選択肢に入れ、状態を見極めながら次戦を決定していく。【奥田隼人】

◆ウィリアムバローズ ▽父 ミッキーアイル▽母 ダイアナバローズ(シンボリクリスエス)▽牡6▽馬主 猪熊広次▽調教師 上村洋行(栗東)▽生産者 中原牧場(北海道日高町)▽戦績 17戦7勝▽総獲得賞金 1億9673万6000円▽馬名の由来 人名より+冠名