日本一周の前に、59歳の体力で1日何キロくらい走れるのか!? 体感として知っておきたいと思いはじめた1DAY150キロチャレンジ。2020年12月29日、朝6時自宅のある神奈川県相模原市を出発。71.7キロを走り、12時32分に折り返し地点である、三浦半島の城ケ島大橋に到着した。ちなみにE-Bikeのバッテリー残量は72%。

神奈川県の最南端、城ケ島と本州は城ケ島大橋でつながっている。1960年に完成した城ケ島大橋は全長575メートルの鋼製箱桁形式の橋、島へ渡る唯一の道路となっている。有料だったが2020年4月から無料化。「これは幸運!」と思ったが、歩行者と自転車は以前から無料だったらしい(笑)。

橋の上に行くと三崎港の町並みや相模湾の眺めることができた。この美しい景色が見られるのは自転車乗りの特権だ。天気が良い日は遠くの伊豆半島や房総半島まで見えるらしいが、今日は残念ながら雲が多く見えない。それでも大満足、気持ちよくペダルをこぎ、城ケ島に上陸した。

ここが折り返し地点になるが、すぐに復路ではつまらない。せっかくなので城ケ島を少しだけ見て回ることにする。周囲長約4キロの小さな島だが、県立城ケ島公園、東西に2つの灯台、ハイキングコースなど見どころも多い。まずは島の中心、城ケ島灯台側の商店街へ向かう。右手には小さな港が見えてくるが人の姿はなく静かだ。さらに進んで行くと商店街が見えてくる、しかしほとんど店が廃業しているらしくシャッター街になっている。数軒開いている店があるが、ある店は大行列、ある店はお客さんゼロと差が激しい。


城ケ島の海岸に出た。ここから復路の旅が始まる
城ケ島の海岸に出た。ここから復路の旅が始まる

城ケ島では新鮮な海の幸が食べられる
城ケ島では新鮮な海の幸が食べられる

昔ながらのお土産屋が立ち並ぶ狭い通りを抜けると、広い磯辺に出た。その先にはどこまでも続く太平洋。気持ちのいい景色が広がった。真冬だが年末に近いこともあって磯辺には人の姿がチラホラ。海辺に沿ってさらに道を進もうとしたら、城ケ島京急ホテル閉鎖の文字、通行止めになっていた。きれいな海も見られたことだし、そろそろ引き返そう。時計を見るとすでに13時半。三崎港へ立ち寄ろうかと思っていたが、やめておこう。

ここまでの走行距離は77.2キロ。再び城ケ島大橋を渡り三浦半島に戻ると先を急いだ。復路は往路と同じルート、距離感はつかみやすい。しばらくは上り坂が続いたが、電動アシストのおかげでハイペースで進めた。ただひとつ、心配なのが膝。朝から続いている膝の痛みは増すばかり、最初は右膝だけだったのが途中から左膝も痛くなってきた。ペダルをこげなくなるほどの痛みではないが、これからさらに70キロ以上走ることを考えると、不安だった。しかし原因がわからず、どうすることもできない。とにかくこれ以上痛くならないことを祈る。


城ケ島大橋のたもとに建てられた北原白秋の歌碑
城ケ島大橋のたもとに建てられた北原白秋の歌碑

再び城ケ島大橋を渡って三浦半島へ向かう
再び城ケ島大橋を渡って三浦半島へ向かう

国道134号に戻ると、ところどころで渋滞ができていた。車の左側、路肩をすり抜けて進んで行く。写真が好きなこともあり、きれいな景色に出会うと撮影したくなるが、ここはグッと堪えて、走りを優先する。夏は海水浴場にもなる葉山の「長者ケ崎」でトイレ休憩。日もだいぶ傾いてきた。海岸線に沿って視点を動かして行くと遠くに浮かぶ、江の島が見えた。まずは江の島を目指そう。

国道134号を時速20キロ前後でひた走る。急勾配の登り坂や峠道がないこともあり、想像以上にバッテリーが減っていないのはうれしい誤算だった。150キロは持ちそうなので、最も強力なアシスト力が得られるHIGHモードで進んで行く。相変わらず膝は痛むが、ひどくはなっていない。「何とか最後まで持ちこたえてくれよ~」ペダルをこぐ足に声をかけた。16時26分。江の島を通過。日没したからか、国道沿いのお店の照明が明るく感じる。


江の島まであと少しのところまで来た。日が沈み、あたりも徐々に暗くなってきた
江の島まであと少しのところまで来た。日が沈み、あたりも徐々に暗くなってきた

国道134号は夜になっても交通量が減らなかった
国道134号は夜になっても交通量が減らなかった

国道134号を西へ西へと進んで行く。17時08分、走行距離122.3キロ。柳島に到着。ここで海岸線を走る国道134号とはお別れ、内陸方面へ向かう県道46号へ入って行く。辺りはすでに真っ暗。テールライトがついているか再確認する。

夕方から急激に冷え込んできた。体を温めるためコンビニに立ち寄り、ペットボトルのホットレモンティーを購入。その場で半分飲み、残ったペットボトルをゲージに入れる。10分くらい走り、信号待ちで残りを飲むと、冷たい! 完全にアイスティーになっている(笑)。

18時50分。海老名市。走行距離141.6キロ。ここまで来たら相模原の自宅はもう目と鼻の先。バッテリーはまだ30%も残っている。余裕のヨッシーだ。妻ヒロコに「ハラペコだから、夕ごはんは焼き肉にしよう!」とLINEで連絡しておく。さあ、ラスト10キロだ。無心でペダルをこぎ続ける。

19時39分、自宅到着。ゴーーール!ゴーーール! 走行距離151.4キロ。150キロを無事走り切った。18時帰宅予定だったが、城ケ島に寄ったので1時間半オーバー。でも僕的には大満足。膝はまだ少し痛むけど、体力的には全く問題がないことがわかった。これでまたひとつ、ステップアップ。喜びの1DAY150キロチャレンジとなった!【藤原かんいち】


走行距離151キロ。バッテリー残量が23%だったので1充電で200キロ近く走れるかも
走行距離151キロ。バッテリー残量が23%だったので1充電で200キロ近く走れるかも

自宅にゴール。まだまだ元気いっぱい。膝の痛みは2日後になくなった
自宅にゴール。まだまだ元気いっぱい。膝の痛みは2日後になくなった