今年もNFLの王者を決めるスーパーボウルの季節がやってきました。全米で1億人以上が視聴するアメリカ最大のスポーツイベントとして知られるスーパーボウルは、12日にアリゾナ州グレンデールで開催され、カンザスシティ・チーフスとフィラデルフィア・イーグルスが対戦します。
3人に1人のアメリカ人が見ると言われるスーパーボウルの当日は、街から人が消えてピザ屋のデリバリーしかいなくなるとか、ハーフタイムにトイレに人が殺到して水道管が破裂するなど都市伝説のような噂もあるほど、国民的なイベントとして知られています。水道管の破裂はさておき、街から人が消えるのは少なからず当たっており、ここロサンゼルス(LA)では普段より明らかに走行する車の量が少なくなり、観光地でも人が激減します。出歩くかわりに多くの人がスポーツバーに繰り出したり、家族や友人と集まってホームパーティーを開いて過ごします。普段あまりフットボールに興味のない人までテレビに釘付けになるお祭りのようなスーパーボウルは、なぜそんなに盛り上がるのでしょう。日本人にはあまりなじみのないスーパーボウルについて紹介します。NFLはアメリカンフットボール・カンファレンス(AFC)とナショナル・フットボール・カンファレンス(NFC)の2カンファレンス制で、それぞれ16チーム、計32チームで戦います。AFCとNFCの王者が、毎年2月上旬の日曜日に開催される頂上決定戦となるスーパーボウルに駒を進めることになります。
なぜこれほどまでに盛り上がるのかと言えば、1つには大リーグやNBAと比べて試合数が少ないことにあります。レギュラーシーズンは各チームが17週で16試合を行うのみのため、必然的に1試合1試合が真剣勝負となり、緊迫した試合が毎週繰り広げられるため、王者決定戦が盛り上がらないわけがありません。また、アメリカではスポーツベッティングが多くの州で合法のため、スーパーボウルの勝敗を予想する賭けを行っている人が少なくいことも理由の1つです。報道によると、今年は過去最高となる5040万人の成人が計160億ドル、日本円にすると2兆円超えをスーパーボウルの賭けに投じる見込みだと言い、一喜一憂しながら勝敗の行方を見守る人がたくさんいそうです。
試合開始はLA時間午後3時半ですが、昼頃から集まって酒盛りしながら試合まで過ごすのが一般的で、感謝祭に次ぐ食糧の消費があるとも言われています。スーパーマーケットではビールやソーダの箱が山積みとなっており、チップスなどのスナック、チーズやサラミの盛り合わせ、サンドイッチにチキンウイングなどパーティー向けのフィンガーフードもたくさん並んでいます。スーパーボウルフードの定番と言えば、ビールにピザ、そしてチキンウイングです。この日だけで全米で14億本ものチキンウイングが消費されるといい、テレビやネットでは様々なレシピも紹介されています。
スーパーボウル中継の楽しみは試合だけではありません。豪華アーティストが出演するハーフタイムショーや大物スターが出演する趣向を凝らしたテレビCMも毎年大きな話題となります。ハーフタイムショーにはこれまでレディー・ガガやビヨンセ、マドンナからマイケル・ジャクソンまで名だたるスーパースターが出演しており、今年はリアーナがヘッドライナーを務めることになっています。
中継の途中で放映されるCMも見逃せません。30秒の放映料が600~700万ドルと超高額なことで知られるスーパーボウルのCMは、毎年世界的な大企業がハリウッドスターら著名人を起用し、趣向を凝らした作品を制作するため、トイレ休憩する暇がないほど忙しいのです。今年もベン・アフレックとジェニファー・ロペスがダンキンドーナツのCMで共演し、ジョン・トラボルタが携帯電話会社のCMでミュージカル映画「グリース」(1978年)の挿入曲「想い出のサマー・ナイツ」の替え歌を披露することなどが伝えられています。ちなみに、日本の楽天も女優アリシア・シルバーストーンを起用したCMを放映予定です。
アメリカンフットボールのルールが分からないとなかなか盛り上がるのが難しいスーパーボウルですが、お祭り気分でハーフタイムショーやユニークなCMを観るだけでも十分に楽しめます。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)





