10月9日にロサンゼルス(LA)南部サンペドロ市で20代半ばと思われる身元不明のアジア人男性が意識不明の状態で発見され、日本円の入った財布を所持していたことから日本人である可能性が取り沙汰されていました。
外傷性脳損傷を負った男性は、近隣のトーランス市にある病院に搬送され、人工呼吸器を装着された状態で入院しており、身元に関する情報提供が呼びかけられていましたが、その後の調べで日本人であることが判明したと報じられています。事故か事件に巻き込まれたのかは分かっておらず、身元など詳細も不明ですが、LAでは近年アジア系に対するヘイトクライムが増加しており、治安に不安を感じる人も多いと思います。
LAタイムズ紙によると、軽窃盗については14%増加しているものの市全体の暴力犯罪は9月末時点で報告された事件数は昨年の同時期と比べて7%近く減少しているとのこと。コロナ禍で一時的に治安が悪化した時期もありましたが、年平均1000件を超える殺人事件が起きていた90年代の非常に治安の悪かった時代と比べると犯罪件数は大幅に減少し、治安は改善されています。それでも、集団強盗や銃乱射などセンセーショナルなニュースを耳にする機会も多く、正直治安が良好だとは言えない部分もあります。
社会情勢が不安定な現在、どこにいても事件や事故に巻き込まれる可能性があります。これからLAを訪問予定の方は、治安対策としてどのようなことに気をつければよいのか、現地在住者の視点から気をつけるべきポイントなどを解説します。
第一に治安の悪いエリアには近づかないことです。LAでもっとも避けるべきは、ダウンタウンの南西に位地する「サウス・ロサンゼルス」、ダウンタウンの端にある「スキッド・ロウ」、LAの中心部から南に24キロほど離れた「コンプトン」です。中でもホームレスが多く暮らす全米最大規模のスラム街スキッド・ロウは、リトルトーキョーに隣接しており、観光客も足を踏み入れやすい場所のため、昼間でも迷い込んだらすぐに立ち去るなど注意が必要です。
また、一般的に安全とされる高級住宅地ビバリーヒルズやハリウッドなどの観光地でも昨今は路上強盗やスリ、置き引き、車上荒らしが頻発しています。高級ブランド品を身に着けた観光客がバッグや貴金属を奪われたり、自宅やホテル等まで尾行されて金品を奪われるなどの犯罪も増えており、安全なエリアだから大丈夫ということはないと考えましょう。
夜道の一人歩きや人通りのない場所は避ける、高価に見える電子機器やブランド品を公共の場で目立つように使用しない、歩きスマホをしない、景色の変化に気を配る、荷物から目を離さないなどは、基本的な防犯対策と言えます。
さらに銃社会のアメリカでは事件や事故の現場に遭遇してもスマホで撮影したり、何が起きたか確認するため近づくようなことはせず、その場からすぐに離れることも重要です。深夜に24時間営業のコンビニやファストフード店などに出かける、夜遅い時間帯のバスや地下鉄など公共交通機関の利用といった日本ではふつうのこともLAでは回避すべき行為です。「ちょっとそこまで歩いて買い物」「周辺の治安や景色を確認せず地図アプリだけを見て歩く」など日本にいる時と同じような感覚でついやってしまいがちな行動も、犯罪に巻き込まれるリスクが高くなることを覚えておきましょう。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)




