ロサンゼルス(LA)では毎年元日(元日が日曜日の年は翌2日の月曜日)に全米最大規模のパレード「ローズ・パレード」が開催され、その模様は全米にテレビ中継もされて正月の風物詩となっています。
今年で136回目を迎えた歴史あるパレードは、元日にダウンタウンの北東に位置するパサデナ市で開催されるカレッジフットボールの試合「ローズボウル・ゲーム」の前に市内で行われ、毎年何十万人もの人々が沿道で観覧します。
「ローズ・パレード」の名前通り、色とりどりのバラを中心とした花で飾られたフロート(山車)がマーチングバンドや馬術部隊と共にパレードします。軍楽隊や日本を含む高校、大学の音楽隊が世界各地から参加して素晴らしいパフォーマンスを披露しますが、なんといっても最大の見どころは映画の都LAらしくエンターテインメント性に富んだ豪華で美しいフロートです。細部にまでこだわった繊細なデザインは圧巻で、企業や慈善団体、大学、自治体などが毎年参加し、趣向を凝らしたフロートで観客を魅了しています。
長さ17メートル、幅5・5メートル、高さ7メートルを超える巨大なフロートがいくつもあり、1つのフロートを装飾するのに十数人のボランティアの手作業で6000時間がかかるものもあります。パレード全体で1800万本ものバラが使用されており、鮮度を保つため水が入った個別の小瓶にセットされる仕組みになっています。ちなみに、これらの花はパレードが終わった後は取り外し、まとめて花束を作り、地元の療養施設などに寄付されます。
フロートは骨組みとなる鉄骨や金網を花や樹皮、種子や葉、野菜や果物の皮など自然素材で覆うことがルールになっており、バラ以外にも蘭やマリーゴールド、カーネーション、ヒナギク、アヤメ、アジサイなどたくさんの花が使われています。また花以外の装飾には米や海苔、玉ねぎの皮、クランベリー、豆、苔、ゴマ、ケシの実、キャベツ、キビなども使われています。こうした素材もすべてリサイクルされ、堆肥として再利用されているそうです。
パレードが終わった後は3日にわたって、豪華なフロートを間近で見学できる「ローズ・パレード・ショーケース」というイベントも行われます。こちらは通行止めにした一般道に集められたフロートを歩いて回りながら見学できるもので、今年はパレードに参加した60を超えるフロートから選ばれた39のフロートが一般にお披露目されました。
間近で見るフロートは、カメラに収まりきらないほどの大きさで、とにかく圧倒されます。そして、どのフロートもユニークで多様性があり、とにかく美しいの一言に尽きます。細部にわたるまで繊細にデコレーションされており、素材をブラインダーで砕いてパウダーにしたものを貼り付けるなど、想像よりもずっと手が込んでいることが分かります。
たくさんのフロートの中でも特に印象に残ったのは、昨年大ヒットした映画「ウィキッド ふたりの魔女」をテーマにしたものや、スーパーチェーン大手「トレーダーズ・ジョーズ」のチーズに座るネズミがかわいいフロート、日本のこいのぼりや灯篭、藤の花がデザインされた「One Legacy」という臓器提供のドナーの受け入れを行う組織のフロート、パンダやトラが鎮座するサンディエゴ動物園のフロート、美しいクジャクが印象的な医療研究施設「City of Hope」のフロートなど。それぞれにテーマがあり、どれもレベルが高く驚くほど美しく、一見の価値があります。
(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)









