今が旬で脂が乗ったジャンボイサギを求めて先日、鳥羽・石鏡漁港の乗合船「幸徳丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で石鏡沖へ出た。沖は波が穏やかで朝イチからでっぷり肥えた良型がお目見え。後半はダブル交じりで食いが立ち、竿頭の佐野修治さん(桑名市)が25~38センチ(大半が35センチ前後)を37匹ゲット。船中でも良型が数多く上がり、型の良さが印象に残る釣行だった。

鳥羽のイサギはプランクトンが豊富な伊勢湾沖で育っているだけに脂の乗りがよくてぼってり肥えている。入ったポイントは、石鏡沖の水深50メートル前後にある人工魚礁。潮通しが良くていかにも良型イサギが群れていそうな感じだ。

「イサギ釣りはタナ取りが肝心。カゴからコマセ(アミエビ)を少しずつ出して底から7~10メートルの間をきっちり探ってください」。寺本周介船長の言葉通りタナが決まれば入れ掛かり。

週に1回は幸徳丸に通う右舷前方の佐野さんがいち早く良型のタナを見つけだして他を圧倒。「底から10メートル上を狙っています。大きいのは上のほうにいるからね」と30~38センチを次々に抜き上げる。さすが常連。タナの見極めが早く、手返しもスムーズだ。

記者も上層を狙うと竿先がグッグッーと引き込まれ39センチのジャンボイサギをゲット。船上でバタバタと暴れる獲物を押さえながら思わずにんまり。朝の時合で2時間ほど良型がコンスタントに釣れ、多い人で30~38センチを2桁キープ。口々に「鳥羽のイサギは型の良さが魅力。食べてもおいしいよ」と満足そうに話す。

日が高くなり潮の流れも速くなると食いが落ちたが、午前9時半ごろの潮変わりから数釣りモードに突入。ややサイズが落ちたものの、連掛けが増え、今度は右隣の常連・牧場幸司さん(松阪市)がペースアップ。熟練の技をみせた。

イカの身とオキアミを餌に長めの仕掛け(3・5メートル)で35センチ前後のダブルを連発。「ゆっくり引き上げたり、落としたりしてタナを広く探るといい。大半が雌だけど雄が釣れたら白子をてんぷらにしてみて。おいしいぞ」と教えてくれた。

記者も、アタリが止まると同様に食いダナを広く探り、反応が出たタナを集中的に釣っていくと、数が伸び午前11時までに25~38センチ(7匹が35センチ超)を2桁キープ。型の良さに満足して沖をあとにした。

兵庫・播州出身の記者はどちらといえばイサギよりもマアジのほうが好きだったが、食べてびっくり。刺し身もムニエルもうまみが強くて1度に4匹もぺろり。卵は甘辛煮、白子は牧場さんから聞いたてんぷらにして食べたが、これまた絶品。ほくほくでクリーミー。くせになる珍味だった。【近江康輔】

【今後の見通し】イサギはこれから型が少し小さくなるが、匹数が伸びて7月の末まで釣れ続く。その後はイワシを掛けて、そのまま青ものなどを食わせる落とし込み釣りに切り替わり、ブリやサワラ、マダイにヒラメなどが期待できる。

【問い合わせ】幸徳丸【電話】090・7303・5080。イサギの乗合船料金9000円(まき餌のアミエビ、仕掛け1個、氷付き)。刺し餌のオキアミは500円で販売。イシダイ釣りの乗合船料金は1万円。ほかにも、三幸丸(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】0599・32・5604がイサギ釣りに出船中。

【交通】大阪から名阪国道、伊勢自動車道、伊勢二見鳥羽ラインを経由。鳥羽IC交差点から国道42号へ。鳥羽駅を過ぎて同167号へ入り、安楽島大橋を渡り、県道750号から同128号(パールロードシーサイドライン)へ。約20分走り、石鏡漁港へ。