東京湾で大型カレイを狙う、「第5回野島チャレンジCUPカレイ投げ釣り大会」が17日、野島防波堤で開催された。参加者29人が、横浜市の「村本海事」(関口真一店主=56)から実績のあるポイントへと渡船。2匹の合計全長という審査方法で腕を競った。抽選で決まったポイントに入り、思い思いの釣法でアタリを待った。45・3センチを筆頭に、40センチ超級も6匹上がるなど、釣果はまずまず。ドック先で44・2センチと35・1センチをそろえた市川智久さん(38=埼玉県戸田市)が、79・3センチで初参加初優勝を果たした。

今回渡ったのは、ドックとドック先、ハナレに各5人、赤灯3人、新堤4人、青灯7人。例年40センチを超えるマコガレイが出るポイントばかりだ。

午前8時の開始早々、ドック先で1投目から39・1センチが上がった。2位に入った毛利浩徳さん(47=東京都練馬区)のサオが揺れる。「50メートルほど投げ、カケアガリで止めていたら食ってきた」と振り返る。10分足らずで1匹目が出て、大会の幕が開いた。

午前10時30分ごろの下げ潮時、ドック先で再び活気づいた。優勝した市川さんが35・1センチを上げる。大物賞に輝いた遠藤卓志さん(54=千葉市)が45・3センチで続く。ともに50~60メートルほど投げた。「着底後に3~4分待って何回か誘った。コツッと当たって巻いたら、デカイのが上がった」(遠藤さん)。第2回で47センチと37センチをそろえて優勝した遠藤さん、Vサイズに次ぐ大型を確保した。

毛利さんは別の読みをしていた。同じような時間に15メートルほどのチョイ投げで34・5センチのイシガレイを食わせた。「防波堤に近い方に寄っているかなと思って、仕掛けを入れた。海面から見えた瞬間、やったと思った」。

一方、市川さんは1匹釣ったパターンから、丹念に砂地を探っていた。「オモリを引いている時にゴツゴツと感じる岩場を避け、ズルズル引ける砂地を重点的にゆっくり引いた」。この作戦が的中した。11時30分、44・2センチを追釣する。これが決定打となった。釣り仲間で、7位に入った竹田洋介さん(37=千葉県流山市)に誘われ、初めて参加しての初優勝。「ちょっとびっくりです。来年も狙おうかな」と笑みを見せた。

3位の林賢治さん(46=愛知県豊川市)は、上げ潮勝負と踏んでいた。当日の干潮は午後1時28分。終了は3時。「2時すぎから食う」と分析していた。リールのドラグをフリーにして待っていると、ジリジリと音を出しながら道糸が出て行く。「サオをあおって聞き合わせしたら食った」。読み通り、午後2時ごろに43・2センチを釣り上げた。連続で26・6センチも確保した。隣にいた金井出(いずる)さん(63=神奈川県南足柄市)が同じような時間に44・1センチをゲットしている。追い上げ及ばずの展開に、「あれが私の針に掛かっていたら、優勝だったのに」と笑った。

たまたま今大会はドック先に分があったが、各所で例年通り良型が上がっている。18・4度あった潮温が下がれば、活性が上がって2ケタ釣果も見込める。「年末から1カ月ほどは産卵期で食いが止まるが、2月ぐらいからカレイの食いは戻る」(関口店主)。冬ならではの旬が、東京湾にはある。【赤塚辰浩】

▼渡船 野島「村本海事」【電話】045・781・8736。来年3月まで朝便は8時、昼便は正午出船。沖上がりは午後4時。料金4000円(女性と子供は1000円引き)。半日(午前8時~正午または正午~午後4時)3000円。http://www.nojimabouhatei.com/。