日刊スポーツ、日刊銀鱗倶楽部主催「2019 月桂冠杯 和歌山・串本磯グレ釣り大会」が2日、南紀・串本大島、出雲崎の磯で行われ、65人の参加者がグレの1匹長寸を競った。全体的に潮の色が悪く、グレの食いが渋かったが、変化のあるポイントをタイトに攻めた人が釣果を伸ばし、3回目の出場となる森山宏美さん(泉南市)が磯際の深ダナで38・6センチを仕留め、初優勝を飾った。最多匹数を競った栄えある「月桂冠賞」には38センチまでを6匹釣り上げた三栖雅章さん(和歌山・串本町)が選ばれた。【近江康輔】

「グレ釣りはヒットパターンを見極めたときが最高にうれしい」。磯釣り歴30年の大ベテラン・森山さんが会心の笑顔で喜びを口にした。渡礁したのは足元からドン深の「虫食い」で寒グレを狙うには最適な磯だった。勝因は0号のウキを使い、刺し餌(生オキアミ)の重みだけでゆっくり落とし込んでいく磯際攻め。

出雲崎の双子の親向きへ流れる潮上にまき餌を入れながら、4~6ヒロの深ダナを探っていくと朝イチから入れ掛かり。寒気を切り裂くように森山さんの竿が次々に曲がり、潮止まりの午前8時半までに38・6センチを筆頭に4匹のグレを仕留めた。ほかにも38・2センチのイシダイを食わせるおまけ付きで「厳しい冷え込みも吹き飛び、汗が出るほどのやりとりでしたよ」と興奮ファイトを振り返る。

串本の磯は水温17度前後で安定しており寒グレには最適だが、全体的に潮の色が悪く「シモリや潮目、磯際など変化のあるポイントをタイトに攻める釣り方が有利になるでしょう」という大会審査委員長の日刊FPC・中谷均氏の予想が的中する釣りだった。

優勝インタビューでは「食いが渋いと聞いていたのでグレが磯際に付いていると読んだのが正解でした。優勝は師匠で同行の甲田満克さん(第18回サンラインカップ磯/三重紀東梶賀決勝大会準優勝)のおかげです。梶賀に通い、磯際の攻め方を教えてもらってきた成果です」と感謝した。

副賞のお酒「純米大吟醸・鳳麟」が贈られると「今夜は脂が乗った寒グレの刺し身でおいしいお酒をじっくり味わいたい。寒グレに乾杯ですわ」とにんまり。実力者の甲田さんはポイントに恵まれず残念な結果に終わったが「次も2人で切磋琢磨(せっさたくま)しながら表彰台を目指します」ときっぱり。来年も師弟コンビから目が離せない。