タチウオを本格中華にしたら…超うまかった。神奈川・メルパルク横浜で3日、「中国料理美食会」が開催された。「旬の蒸し魚の葱(ねぎ)油かけ」は、脂の乗ったタチウオと浅場のカサゴをひと皿に。う、うまい。前日2日に両魚を仕留めた女子アングラー岡田万里奈(26)が美食会をリポートする。

目の前の皿を見つめたまま、岡田万里奈(以下オカマリ)が固まった。

オカマリ 苦手なんです。食レポ。おいしそうなのはよく分かるんです。でも、食べて、その次に言葉が出てこないんです。

メルパルク横浜。中華街の近くで、改修中のマリンタワーのすぐ隣。道路を挟んで山下公園が広がる。7階宴会場レインボー。海側壁面はガラス張りの大きな窓で、氷川丸や横浜ベイブリッジがキラキラと輝いていた。おいしい食事と美しい夜景も楽しめてしまう。

3日、メルパルク横浜の中華部門・千葉光治料理長が春節を意識した「中国料理美食会」が開かれ、56人が参加した。テーブルの一角にオカマリが座っていた。北京ダック、大正えびのあっさり炒め、皮付き豚ばら肉トロトロ煮のパイ包み焼きなど、次々に出される料理のおいしさに圧倒されてしまった。

オカマリ 中華料理、ってこんなにいろんな味があるんですね。今まで食べていた中華って何だったんだろう?

前日2日、オカマリとタコボウズ記者(寺沢です)は新安浦「長谷川丸」(岩瀬正紀船長)の午前便でタチウオ、午後便のカサゴを釣った。今回の「旬の蒸し魚の葱油かけ」は、その魚を食材にしたものだった。

オカマリ まさか、こんな姿になって…。普通はタチウオって蒸したりしないでしょ。あまりの感動にしばらく見入ってしまいました。

タチウオは半身がほぼ正方形に切られ、その上にカサゴがちょこんと乗っていた。魔法のじゅうたんがタチウオで、さしずめカサゴはアラジンか。蒸された両魚の上から熱した葱油が豪快にかけられていた。ほどよく焦げた油とふんわりとした香り。自然とのどが鳴る。

オカマリ いただきました。もう、夢心地。熱が入っているのにタチウオの銀色はくすまずにキラキラのまま。こんな調理方法があるんですね。カサゴもやわらかい。タチウオは口の中でふわんとほどけていきました。

オカマリ、ちゃんと食レポできるじゃん♪

釣りは苦戦した。タチウオは川崎沖の水深30メートル。タコボウズ記者はまさかのボウズ(釣果ゼロ)、オカマリは終わり間際に1匹を釣った。サイズは約1メートルで、体高はオカマリの指で6本あった(タコボウズの4・5本)。この時期は底から5メートルまでのベタ底で、ときおりシャクりを止めて、食らいついてくるのを待つ辛抱の釣りだった。

タチウオは長谷川丸の常連さんから5本をいただいて、なんとか食材確保はできた。さらに東京湾では“春告魚”の別名を持つメバルが2月から解禁となった。ただし、外道のカサゴがちょっかいを出してくる。このカサゴ、上品な白身なのだ。カサゴはオモリ30号を底に付けて、ゆるやかに誘う。

オカマリ タチは難しかった。けど、潮が落ち着いてくれば面白いかも。なにせでっかいのしかいないしね。カサゴは安定のアタリの連発。釣りもこれから楽しみですねぇ。

釣った魚をおいしい料理にしてもらう。千葉料理長は「釣ってきた魚はやはりおいしい。東京湾の魚は素晴らしいね。このタチウオとカサゴだったら、また、食事会を企画したいですね」と絶賛した。東京湾の魚、蒸して食べてみようか。【寺沢卓】

◆新安浦「長谷川丸」【電話】090・6021・5919。タチウオ乗合船は午前7時15分出船、氷&エサ付きで6000円。午後便は今後、イシモチの状況も探りながら、カサゴがメイン。大潮まわりではタイラバが午後便となる。釣りものに関しては要電話。