プリプリの良型マアジが好調に釣れ続く南紀・名田沖へ11日、和歌山・御坊市南塩屋の乗合船「谷野丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で出た。当日は風もなく、波も穏やかな釣り日和。日の出前の浅場では胴突きサビキで、沖の漁礁は天秤仕掛けで良型を狙うと数が伸び、竿頭の橋本伸之さん(御坊市)は27~38センチを55匹釣り上げた。記者も26~35センチを30匹キープ。連掛けは少なかったが、1投ごとにアタリが出る入れ掛かりで数釣りを楽しんだ。

竿先をゴンゴンゴンとたたき、軟らかい船竿がグイグイしなる。マアジならではの激しいアタリ、引きを満喫した。午前5時すぎ、港を出て約5分の浅場に入った。夜明けまでは浅場でも良型が食うという。

水深は12~13メートル。集魚灯が点灯され、左舷中央に入り、こませカゴにアミエビを詰めた胴突きサビキで釣っていくとポツリポツリと掛かり、1人平均25~30センチを15~20匹ほどキープ。連ではなかなか食わないが、港を出てすぐのところでプリプリの刺し身クラスが釣れるなんてびっくり。

午前7時半ごろ、日の出を迎え、食いが止まると名田沖の魚礁ポイントへ移動した。こちらの水深は45メートル前後。底は人工漁礁。沖では天秤サビキの4本針仕掛けで良型を狙う。鉄仮面にアミエビを7分目ほどに詰め、谷野和志船長の「底から5メートルほど上を狙って」という指示で釣りを開始した。

ここで一気にマアジの匹数を伸ばしたのは左舷先端の常連・橋本さんで「数釣りのコツは手返しの早さに尽きる」という。アジを食わせてから取り込むまでの一連の動作に無駄がなく、とてもスムーズだった。

橋本さんは、底から5メートルほど上で、まき餌を効かせ、アタリがでると3メートルほどゆっくり引き上げて追い食いを誘う。

そして竿に重みが増す感触を確かめながら慎重に引き上げ、手早く魚を船内へ。一瞬で針を外し、素早くまき餌をカゴに詰めて次を狙う。「アジは口が弱いので針外しで魚を持ち上げると魚の重みで針が外れるんだよ」と教えてくれた。1匹釣るたびに手間取る記者とは大違い。まるで漁師のような手さばきで数を伸ばす。

午前10半ごろ、アジの活性が上がると連掛けが増え、橋本さんが一段とペースアップ。納竿間際には竿がグイグイ絞り込まれ、30~33センチを3連掛け。これには橋本さんも思わずにんまり。「脂が乗っていいサイズやね。きょうは大満足です」と55匹で納竿。ほかの人も30~40匹釣り上げ、クーラーにたっぷりのマアジをキープしたところで午前11時半ごろ、沖をあとにした。【中村和嗣】

【問い合わせ】谷野丸【電話】0738・22・4487。乗合船料金1万2000円、仕掛け、エサ(アミエビ)、氷付き。無料仮眠所あり。港に午前5時集合(季節によって変動)。

【交通】湯浅御坊道路の御坊ICを出て右折。野口南の信号を左折し南下。北熊野の信号を右折、県道25号に入り南下。湊の信号を左折し国道42号へ。塩屋の交差点をすぎ400メートルほど進み、同乗合船の看板があるところで右折し、南塩屋漁港へ。