コロナが終息に向かったら、ルアーにチャレンジしてみませんか。お手軽に釣りができ、初心者に思わぬ大物がヒットすることもある。対象となる魚も、海のシーバス(スズキ)やタチウオ、シイラ、淡水のブラックバスにニジマスなど、いろいろだ。魚の食性や居場所などに合わせてルアーを選び、誘ってみよう。

ルアーとは「疑似餌」のこと。金属や木、合成樹脂でできており、小魚やエビ、虫エサに似せている。釣り糸に結んで、海や川の中などに落として誘う。釣りたい魚が、「何を食べているか」「どこを泳いでいるか」を踏まえた上で、どのルアーを選び、どんな誘い方で釣るかが重要になる。

釣り方は、深場に重めのルアーである「メタルジグ」を落としてリールを巻き上げる「縦の釣り」と、ミノー、バイブレーションなどを投げてリールを巻きながら手前に寄せる「横の釣り」の2通り。海の対象魚で解説しよう。

縦の釣りの代表的なのは、東京湾で船で狙うシーバスやタチウオだ。

シーバスは、餌となるイワシなどの小魚を追ってアクアラインの「風の塔」の周りの底付近や、湾に面した工場地帯の橋脚周りなどにいる。

ポイントにより、30グラム~120グラムといった縦長の金属片に針を垂らしたメタルジグを深場に落とし込む。底に着いたら糸フケを取り、巻き上げる。その誘い方は、「タダ巻き」か「巻きながら動作を加える」か。タダ巻きは、文字通りリールを巻くだけ。ゆっくり巻いたり、高速にしてみたりと緩急をつける。動作とは、着底をしたらサオをシャクってルアーを浮かせ、リールを1回巻き、手首を返して戻す。この繰り返しを指示ダナまで行う。

タチウオもほぼ同じ。「シーバスよりも気まぐれなので、シャクって巻く時のシャクリの幅を小さくしたり、巻くスピードにより緩急をつけるといい」(小峯丸・小峯雄大船長)。

中には千葉・飯岡のテンヤマダイで、メタルジグを使う人もいる。「エビでタイ」の印象が強いかもしれないが、実はとんでもない悪食。小魚でも食う。合っているのかもしれない。

「横の釣り」の代表は、これからシーズンを迎えるシイラだろう。内房、外房で海面に浮いた藻やゴミ、潮目、トリヤマ(大型の魚に追われた小魚が、海面でカモメなどに食われる様子)の下にいる。ポッパー、ペンシルベイトなどを表層に投げ、誘い出す。「ポッパーは、水しぶきが上がってシイラを刺激させる。ペンシルは逃げ惑う小魚を思わせる」(共栄丸・笹子宏宣船長)。

同じように多摩川など、東京湾に流れ込む川の河口付近で狙うシーバス、今年早々に東京湾奥の浅場に突っ込んで大フィーバーしたサワラなども、「横の釣り」で誘う。河口や湾奥は小魚だけでなく、エビなどのたまり場。宙層を漂うシンキングペンシル、ブルブルと小刻みに揺れるバイブレーションなどを選ぶ。

同じ海でも千葉・南房の砂浜は、ヒラメやマゴチが面白い。シンキング・ミノーを底付近に漂わせ、餌となるシロギスやメゴチなどのように演出する。夏場の人気魚種でもある。

ルアーなら、コマセのにおいや、イソメなどニョロニョロ系の虫エサが苦手という人も大丈夫。重いビシやオモリ、長いハリスなども必要ない。サオとリールがあれば楽しめる。【赤塚辰浩】

▼ブラックバスでよく使うのが、ワーム。合成樹脂製のソフトルアーで、メタルジグやミノーなどのハードルアーと対照になる。ミミズなどの虫エサ、尾をヒラヒラとさせる小魚、ザリガニに似せたクロウ系など、タイプはさまざまで、バスの食性により使い分ける。

ラバージグや、専用のフックとシンカー(シンカーを使わず、ワームとフックだけの場合=「ノーシンカーワーム」と言う)を使い、足首が隠れる程度の浅場から、深場まで自在に対応できる。釣り糸の結び目のすぐ横にシンカーが付いたフック(針)のあるジグヘッド、胴突き仕掛けよろしくシンカーに釣り糸を結び、その上にフックをつけるダウンショットなど、組み合わせは多彩だ。

神奈川・芦ノ湖、山梨・河口湖や西湖のようにワームが使えない釣り場もある。

【アドバイス】

◆ルアー・チェンジ 潮や水が澄んでいる場合はナチュラル系。イワシ、ワカサギなど、魚に似せたカラーがいい。濁りが入っていれば金、ピンク、蛍光イエローなどのハデハデ系を。ずっと同じ色で投げていると、魚に飽きられる。アタリがなければ暖色→寒色→ナチュラルといったように色を変えてみる。

◆最初はベテランと 経験者と一緒なら、ルアーの選び方、誘い方などが参考になる。

◆キャスト 投げる前、必ず後ろに人がいないか注意する。一部の船はオーバースローも可能だが、大半はアンダーだけ。

◆バーブレス 針の返しをペンチで事前につぶす「バーブレスフック」に。魚を傷めず、外しやすくするための配慮。