冷え込みが強まり、冬らしくなってくるとヘラブナ師の心が躍る管理池の一大イベント・新ベラ放流の時期を迎える。傷1つない美しいヘラを求めて先日、兵庫・猪名川町にある「天神釣り池」へ出掛けた。午前8時から21尺の竿を使った宙釣り(餌は両グルテン)で挑戦した。時間の経過とともにタナを深く探っていくと針掛かりを知らない無垢(むく)な美ベラが次々に掛かり、午後3時までに30~38センチを56匹釣り上げた。警戒心は強いが、パターンを見つけだすと活発に餌を追う新ベラ狙いを堪能した。

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午前8時ごろ、I桟橋の給水塔を背中にし、釣座を構えた。この池は最深部で約7メートル。水深があるので21尺の竿を継ぎ、沖に群れる新ベラを宙釣りで狙う。餌は旧ベラを避けるため、寄せ効果の弱いグルテンを選択。沖のあちらこちらで跳ねる新ベラに期待を膨らませながら、親指の爪ほどの大きさの餌を打っていく。

タナは1・5メートルからスタート。ウキのトップが沈没すればエサ切りをし、タナにどんどん餌を入れていくが、期待とは裏腹に15分ほど経過しても無反応。少し不安になりながら10投ほどしてウキに動きがなければウキ下を50センチずつ深くしていく。すると、3メートルのタナにした途端、フワフワとウキのトップに動きがでて沈没寸前でドン。気持ち良い消し込みを合わせると糸鳴りの引きで沖へ一気に走る。竿の胴で力強い引きに耐えて浮かせたのは傷1つないきれいな35センチの新ベラだった。その後もすぐにウキが動き、同サイズが4連発。やはりタナがかなり重要だった。そのままのペースで1時間後には19匹ゲット。

しかし、午前11時をすぎるとアタリが単発になり、カラツンも目立ちはじめる。やわらかい餌を作ったり、ハリスを長くしたりするが改善できない。新ベラの活性が下がったのか。念のためにタナをさらに50センチ深くしてみるとアタリが復活。日が昇り、新ベラが警戒して深場に下がったのだ。

午前中は、ウキのトップ先端ギリギリまで餌を持たせてからの力強いアタリを合わせていたが、午後からはエサの重さがウキに表現された瞬間のチクッとした小アタリがヒットパターンになった。まだ、ハリスがきちんと張っていないタイミングでヘラが餌を吸うため、アタリが小さいのだ。

それならと一回り餌を小さくして針掛かりを良くしてやると気持ちいいほど釣れ続く。そして日が傾きかけた午後3時ごろ、合わせた瞬間にグングンと頭を振るグッドサイズが針掛かり。慎重なやり取りで浮かせたのは肉が厚い38センチだった。この良型を上がりベラにして納竿。終わってみれば、この時期としては大満足の56匹だった。【日刊FPC・土屋直人】

【今後の見通し】12月中は引き続き、両グルテンの宙釣りでタナを探ると新ベラが狙える。その後は両グルテンの底釣りに切り替わるだろう。釣り場が混雑した時は段差の底釣りや15尺前後のチョウチンセット釣りで深場を狙うと面白い。新ベラの放流は35~40センチ超を2・8トン放流済み。今後は24日前後に30センチ前後1トン、40センチ級を500キロ放流予定。最後は1月中旬で27センチ級が1・3トン放流される。

【問い合わせ】天神釣り池【電話】072・799・5449。釣り料金は大人2000円(平日の午前10時半から1500円。土、日、祝日の午前11時から1500円)。女性はいつでも1500円、子どもは小学6年生までが1000円、中学生以上で大学生までが1500円。営業時間は平日午前6時~午後3時半。土、日、祝日は午前6時半~午後4時。月、火曜日は定休。

【交通】大阪からは阪神高速池田線の池田木部ICを出て、国道173号を北上。県道12号などを経て清和台方面に向かい、天神釣り池へ。京都、高槻、神戸方面からは新名神高速道路の川西ICを出て南下。同池へ。