“アニキ”こと俳優の哀川翔(61)と釣り友3人が千葉・相浜「松丸」(西藤裕船長=63)で、シマアジ五目釣りに挑んだ。松丸の乗船は約2年ぶり。前回の釣行は大雨。そして今回は、さらに強風も加わり、条件としては、決して良いとは言えない状況となった。だが、前回のクロムツ&マダイのリレー釣りでは、7本針仕かけの6本にクロムツを掛けた。本命シマアジ、しかも通称“オオカミ”(8キロ以上)の顔は見られたのか?

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「前に乗ったときも雨だったよね。俺のかっぱが破れて船長に借りてさ」と準備をしながら笑うアニキ。西藤船長の「朝イチが勝負になると思います」に「今回も雨だけど、絶対にシマアジ、釣るよ!」と意気込んだ。

今回、常連客の白石英一さんが用意した特製仕かけで挑戦。「シマアジはビシの近くに集まるので、テンビンのアームとクッションゴムを一体化して、ビシのすぐそばにハリスを出せるようにしています。また、大物が来てもいいように、道糸とビシの間にもクッションゴムをかませます」と説明した。

松丸での基本的な釣り方は、仕かけが着底したらすぐに2メートルほど巻き上げてコマセを撒いたら、そこから4~5メートルくらいまでで誘う。食いが悪いときは底を重点的に攻めるのがセオリーだ。また、掛かっても上げるのが難しいのがシマアジの魅力でもある。西藤船長いわく、「掛かっても上げられる確率は50%くらい」。白石さんは「魚が船の方を向いている間が勝負。反対を向いて走られたら、ほぼ上げられないと思った方がいいです」。アニキは「そんなに難しいんだ」とため息を漏らしたが、逆に目はらんらんと輝いていた。

午前5時半の出船。周囲はまだ暗く、激しい雨が〓(順の川が峡の旧字体のツクリ)を打つ。ポイントは港から約10分ほどの近場。西藤船長の合図で一斉にサオを出すと、船中各所から「来た!」の声が上がった。釣り友の三森成将さんは本命をダブルでゲットしにっこり。白石さんも大型をかけたが、すっぽ抜けた。「いきなりダブル? 俺は餌を取られたよ。でも、いるね。よし頑張ろう!」。

そんな祭りの様相がやや落ち着いたころ、アニキがサオをしゃくると、サオ先が水面に刺さった。「よし、来た!」。無言でゴリ巻きするアニキ。「これはでかい」。だが、獲物は船と反対方向に走った。「やばい、どんどん出ている」。そして、無情にもハリスが切れた。「ムチャクチャでかかった! どこから切れた?」。確認すると、道糸から切られ、ビシも、テンビンも失った。「サメか? でも、しっかり当たったよね?」とぼうぜんとした。

仕かけをセットし直して再挑戦。再びアタリが来ると、しっかり合わせるが「さっきのやつとは違う」と苦笑。上がったのはオジサン。「まあ、これでボウズは逃れたね」。その直後、再び「来た! でも、オジサンは来るなよ」と笑うアニキ。だが、これは痛恨のハリス切れとなった。

その後も、アニキのサオ先がビクンビクンと動く。リールを一気に巻くとサオがUの字にしなった。「オイオイ! これはまたすごいぞ」と、両手でサオを支える。だが、この間に獲物は沖に向かって走った。「また、あっちに行っちゃったよ!」。一気に80メートルものラインが出た。結局ハリス切れで、獲物が何かを確認できなかった。その後も3度、大物と思われるアタリとやりとりをするが、全てハリス切れとなった。 西藤船長は「5回中2回はサメだと思うけど、3回は怪しい。姿を見ていないからなんとも言えないけどオオカミ級の可能性もあります」。アニキは「普段釣りをしていて、悔しいと思うことは少ないんだけど、今日は本当に悔しい。絶対にリベンジしたい。船長、また来るから!」と珍しく悔しさをにじませた。この日アニキは、オジサンと高級魚ウメイロをゲットした。

この釣行から約1週間後の21日、3・6キロの本命が上がった。西藤船長によれば、「秋から冬にかけてがシマアジのノッコミ(産卵期)。水温が下がればサメもいなくなるので釣りやすくなるし、型も期待できます」。つまり、激アツはこれからだ!【川田和博】

○…記者もアニキの左でサオを出した。朝イチのアタリに記者のサオも折れんばかりの弧を描き、獲物は一気に底へと走った。釣り歴2年の中で、最大の引きを味わったが、ゴリ巻きしていると急に軽くなった。仕かけを回収すると、アニキ同様に道糸から切られ、ビシも、テンビンも失った。その後も3回当たるが、結局顔を見ることはなかった。掛けても上げるのが難しい。まさにその難しさを体験した。アニキ同様“悔しさ”を感じ、「こうして釣りにハマっていくんだ…」と感じた。

なお、終了間際に白石さんが「めったに上がらない」という珍客「ツバメウオ」をゲット。「食べて、記事にして!」でいただいた。家でさばくと、とにかくエンガワ率が高く、そのエンガワはコリコリだった。刺し身で食べてみると、これまで魚で感じたこのない“サクサク”とした食感は唯一無二。2日ほど寝かすと、ややねっとり感が増したが、サクサク感も残っていた。釣りでなければ食べられない魚を食べられるのも、釣りの魅力かもしれない。

▼相浜「松丸」電話080・1154・5283。集合4時半、コマセ&氷付き1万1000円。ビシはFL60号指定。クッションゴムは1・5~2ミリ50センチ~1メートルで、ハリス4~6号2~3メートルの3本針を推奨。ウイリーも可だが、ウイリーにも餌を付けた方が有利。※詳細は必ず電話にてご確認ください。