快適な環境でヘラブナ釣りが楽しめる大阪府貝塚市にある「水藻FC」へ12日に釣行すると、初冬の風物詩・新ベラの放流に遭遇。15尺竿を使った両グルテンの宙釣りと、底釣りで午前9時~午後3時までに24~37センチを40匹釣り上げた。針掛かりを知らない、新ベラの好奇心旺盛な餌追い、元気いっぱいの引きに心が躍るお祭り気分を満喫した。【日刊FPC・土屋直人】

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午前8時ごろ、池に到着。事務所で「午前中に今季初の新ベラ(24センチ弱主体に約2トン)を放流する」と聞き、わくわくしながら2号桟橋外向きの奥に釣り座を構えた。新ベラは物音を嫌がるため、少し沖を狙おうと、15尺竿の宙釣り(タナ1・5メートル)を選択。餌は旧ベラを避けるために集魚効果の弱いグルテンを針よりひと回り大きく(中指の爪ほど)付けて釣っていく。まずは、しっかり餌がタナまで持つかを確認する。ウキのトップが沈没ギリギリまで入らなければ、ヘラが寄りだした際に餌が針抜けしてしまうからだ。

旧ベラをぽつりぽつり釣りながら放流を待つと、午前11時すぎ、いよいよ新ベラの放流が始まった。見に行くと、養魚場から色白の美しいヘラが続々と池に放たれ、桟橋の外側を回って池全体へ回遊していく。

数分もすると、自分の釣り座の近くにも、もじりが出始めたので、急いで釣りを再開。振り切りで、餌をゆっくり落下させて、新ベラにアピールしていくと、5投目、ウキが立ってすぐにポコポコと上下し、合わせると左右に走り回る。

上がってきたのは傷1つないきれいなうろこがまぶしい24センチの新ベラだった。毎年、この美しい魚体を手にするたびにうれしさが込み上げる。続けるとウキの動きが活発になり、馴染みながら水中へ消し込んだり、食い上げたり、さまざまなアタリがウキに現れる。これも、針掛かりを知らない新ベラ狙いのだいご味だ。

2時間ほどで20匹ほど釣り上げ、元気いっぱいに竿を曲げる心地良い引きを堪能。このまま、好調に釣れ続くかと思ったが、突然、ウキの動きが静かになってしまう。餌の大きさや付け方を変えてみてもだめ。バラケを打って、寄せれば、ウキが動くのだろうが、それでは旧ベラも集まり、新ベラ狙いの妙味が薄れる。

竿、仕掛けのセッティング、餌はそのままでタナを下げていくと底でアタリが復活。宙釣りに比べてペースは落ちるが、順調に釣れ続き、午後3時に納竿。新ベラの放流前に釣った34~37センチの良型7匹と合わせて40匹釣り上げた。幸運にも、新ベラの放流に遭遇することができ、有意義な1日だった。

【今後の見通し】11月末までは15尺以上でのグルテンの宙釣りで新ベラが狙える。それ以降は、水温が下がるにつれて底釣りが好調になると予想される。混雑時や急な水温低下など、食い渋った場合には9尺前後のチョウチンセットや段差の底釣りが有効。バラケを使い、旧ベラも寄せながらの釣りで釣果が伸びそう。

【問い合わせ】水藻FC事務所【電話】072・432・7605。営業時間は11~4月=午前7時~午後4時。定休日は毎月第3水・木曜日(祝日は営業)。釣り料金は平日が終日1500円、土日祝日は1日2000円(午前11時~午後4時の半日は1500円)。

【交通】阪神高速4号湾岸線の貝塚ICを出て府道29号を南下。臨海二色の浜の信号を左折し府道64、同239号へ。JR阪和線の和泉橋本駅をすぎて4つ目の信号を右折し、水藻FCへ。