BS釣りビジョン「釣りうぇ~ぶ」MCの“おかまり”こと岡田万里奈(29)が、千葉・富浦「共栄丸」(笹子宏宣船長=51)でティップランアオリイカ釣りに挑戦した。ティップ(穂先)に出るわずかなアタリを的確に捉える必要があり繊細さを求められるが、掛かったときの重量感は対照的で、この釣りに魅了されるファンも多い。自称“餌木マニア”のおかまりの挑戦はいかに?

この取材の前日も三浦半島方面で、ティップランアオリイカとカワハギ釣りをしてきたというおかまり。「昨日のアオリイカが渋くて、船中1匹でした」というが、その表情はにやけていた。うすうす感づいてはいたが、「その1匹が私だけだったので…」と明かした。

この釣り方は、穂先の微妙な動きを捉える必要があるため、専用ロッドが望ましい。また、着底が分からないと話にならないため、岸からの投げ釣りで使う餌木よりも重めの専用を使う必要がある。“餌木マニア”を自称するおかまりは「餌木ってなんでこんなにかわいいの? 見てるだけでうっとりしちゃうんです」。餌木愛が強すぎるせいか、「ロストしたくないので、借りてもいいですか?」とまで言い出した。

共栄丸のアオリイカ船は午後便のみ。ポイントは10分ほどの近場だ。釣り方は至ってシンプル。餌木が着底したら5~6回しゃくってピタリ止め、アタリを待つのみ。慣れた手つきでしゃくると、きっちり止めてアオリイカが餌木を抱くの待つ。突然、アワセを入れるおかまり。「見ました? 今ティップが明らかに変なタイミングで動いたでしょう」。だが、掛からなかった。「フグだったかな?」としゃくりを繰り返すが、応答はなかった。

ミヨシ(最前部)から2番目の金枝広幸さんが船中1匹目を釣り上げると、立て続けに連続ヒットで2匹。結局4匹を釣り上げ、この日のサオ頭となったが、大ドモ(最後部)のおかまりは「いいな~! こっちにも来ないかな?」。

餌木を変え、しゃくる回数を変えるなど、あらゆる手を尽くすが、この日はイカからの応答はない。船の前部では3人同時ヒットなどでにぎやかだったが、後部のおかまりはアタリさえない状態。「時合いを逃したかな? やばくない? 場所の問題じゃないの?」。いつもは泰然自若のおかまりが、珍しく焦りをみせた。

あたりが暗くなった午後5時。笹子船長オススメの紫色の餌木にチェンジすると、「イカさん、お願いしま~す」と願いを込めて投入。穂先のわずかな動きを捉え、アワセを入れる。「今、当たりましたよね?」。その場で再びしゃくって止める。そして、アワセを入れる。「なんかほら、触ってる!」。3度、その場でしゃくって止める。三度目の正直のアワセで、サオが弧を描いた。「やった~!絶対にバラしたくない。絶対に!」。慎重に巻くが、アオリイカも必死の抵抗。「見えた、見えた。足1本だ!」という笹子船長のタモ入れで取り込むと、タモの中で餌木から外れた。まさに、間一髪。「よかった~! 船長、ありがとうございます」と感謝すると、「3回アタックしてきて、最後で掛かった。ありがとう、イカちゃ~ん!」と喜びを爆発させた。同乗していたお客さんから、「おめでとう」の声と拍手も上がった。

笹子船長は「今日は潮が流れたり、止まったりで、難しい状況でした。もう少し流れがあればよかった」と振り返った。今後について、「今年は数は少ないけど型はいい。今20~21度で潮温が安定しているので、年内はできそうです。(潮の)温度が下がるとイカも深場に行ってしまうので、年明けは状況を見つつ考えます」。挑戦するなら年内だ!【川田和博】

■初挑戦の記者“アタリ”分からず

初挑戦の記者は、惨敗に終わった。最低限必要な着底は分かった。だが、まず第1関門となったのが“しゃくり”だ。餌釣りが多い記者にとって“巻きじゃくり”のハードルは思った以上に高く、おかまりや常連さんのようなシャープなしゃくりができなかった。そして、全く分からなかったのが“アタリ”だ。船の揺れなのか、アタリかの見分けがつかなかった。隣の常連さんに聞くと「船の揺れと明らかに違う揺れがあったら、全部合わせるといいですよ。それも誘いになりますから」とアドバイスをもらった。そのアドバイス通りに5時間しゃくり続けたが、結果はボウズ。大魔神と松本アナのマダコ対決、利水さんのマダコ釣りに続くボウズだが、どうやら軟体系が苦手のようだ。

■笹子船長が教える基本的な釣り方

笹子船長による、初心者のための基本的な釣り方を紹介する。

▼着底最優先 底が取れないと始まらない釣りなので、基本となる餌木は30グラムだが、潮の流れが速かったり、着底が分からなければシンカーを付け40グラムとか重くして必ず底が取れるようにする。

▼釣り方 餌木が着底したら5~7回しゃくって、必ず止める。アオリイカは止まったときに餌木を抱く。これでアタリがなければ、再び落として同じくしゃくる。それでも、アタリがなければ、餌木を回収して入れ直す。船が流れているため、これを1セットで行う。なお、餌木が斜め45度くらいに入るとアタリを取りやすい。

▼しゃくり方 1回のしゃくりに対してリールを1回巻く「巻きじゃくり」。回数は潮が速ければ3~5回、遅ければ5~7回。アオリイカは浮くので、潮が遅い場合は高めを探ってもOK。

▼アタリは3種類 <1>ティップがプルッと揺れる。<2>逆にティップのテンションが抜ける。<3>落としている途中で餌木が止まる。いずれも、違和感があったら、空合わせでもいいので即合わせる。

◆富浦「共栄丸」【電話】090・7244・0460。アオリイカは午後船のみ(集合1時、出船1時30分)で氷付き7500円。女性&子ども(中学生以下)の割引あり。コマセマダイ午前船(集合5時30分、6時)も受け付け中。※詳細は必ず電話でご確認下さい。