釣り業界最大級のイベント「釣りフェスティバル2023 in Yokohama」(主催・日本釣用品工業会)が20~22日、神奈川・パシフィコ横浜で開催された。コロナの影響で21年からオンラインでの開催となり、リアル開催は実に3年ぶり。「2023年の新製品・イチオシ製品をどこよりも早く一挙公開」を掲げ、開催を待ちわびた多くのファンが会場に足を運んだ。

コロナウイルスの影響で過去2年はオンラインでの開催を余儀なくされたが、約100カ国から26万人以上が閲覧し、そのPV数は500万回以上となった。同実績も踏まえ、今年は史上初のオンライン&リアル同時開催となった。約150の出展社および団体がイチオシ製品等を展示した。

ダイワのイチオシはリール「IMZ」。同社が長きにわたって追求してきたマグフォースが「インテリジェント マグフォース」として新たな領域に進出。「電磁誘導ブレーキのデジタル制御によってあらゆる状況での快適なキャストが可能になりました。LED下のコントロールスイッチで8段階のブレーキ力や各種設定が可能となりました」(同社スタッフ)という。また、業界初となるリールとアプリの連動も実現。「ブルートゥース搭載で弊社アプリとの連携が可能です。これによって、キャスト回数や距離などの釣行ログデータの記録を確認することもできます」。ダイワは“新しい価値観”を提案していた。

がまかつのイチオシを確認すると広報の村松氏は「全てです」と笑いつつ、「ニッカンさんであればテンヤタチのサオを紹介して欲しいですね」。同社のテンヤタチ用ロッドは「テンヤタチMS」シリーズだが、「H173とL180を追加しています」と同氏。山下雄大テスター(36)によれば「Hはシリーズで最も硬く、主に180~200メートルの深場や潮が速いときの操作性を意識したモデルになっています。一方Lは逆に最も軟らかく、10メートルから海面の浅場での使用や、小さいテンヤでの使用を意識したモデルとなっています。こちらはテンビン(餌)での使用も可能ですね。この2本は両極端なモデルになっています」と説明してくれた。

シマノのイチオシは、スピニングリールの「ヴァンキッシュ」。「ヴァンキッシュの新シリーズは、ステラに搭載した『インフィニティクロス』『同ループ』『同ドライブ』『アンチツイストフィン』『デュラクロス』の5つの機能を搭載しています。説明するよりも実際に体験してください」。同社スタッフのすすめで、従来モデルと新作の巻き比べを体験。かなりの重量負荷が掛かった状態だったが、従来モデルは若干カクカクとしたような感じもあった。だが、新作はそれがなく、とにかくスムーズに巻けた。同社最高峰モデル「ステラ」の技術が、いよいよ他のモデルでも楽しめるようになった。

3年ぶりのリアル開催は、電子チケット販売による入場者数の上限に規制を掛けるかたちでの開催となったが、それでも、コロナ前の日常を徐々に取り戻しつつあるようにも感じた。何の規制もなく、心から釣りを楽しめる日が1日も早く来ることを願いたい。【川田和博】