冬の味覚、寒ブリをビッグベイトの落し込み釣りで仕留めようと5日、中紀・御坊の美浜新港から出る「千代丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で紀伊水道・ラングイへ出た。30センチ超のベイトもよく掛かり、丸々と肥えた寒ブリが、ダブルヒットを含め全員ゲット。船中で15匹仕留めた。竿頭は85~92センチを5匹だった。グイグイとロッドを絞る豪快な引き味と好ファイトを堪能した。

この日は、細谷健太船長と息子の若船長(瞬さん)の2隻態勢で出船。記者は親船長の船に乗船した。午前7時すぎ、ラングイに到着。波がある中、水深150メートルのポイントに入った。「80メートルから120メートルにベイトの反応がでてる。餌が大きい(30センチ超)ので、しっかりのませてから思いっきり合わせて」と船長から指示がとぶ。

記者は船尾に入り、まずは餌になるベイトをかけ、底に落とす。するとすぐに竿先が上下する反応が。寒ブリの接近に緊張が走る。船長の指示通り餌をしっかり食い込ませてから、合わせを入れる。グイグイ竿を絞り込む引きをみせたのはプリプリに太った85センチの寒ブリで、思わず記者もその魚体にほれぼれする。

ここから寒ブリのモーニングタイムが始まった。続けて初の寒ブリ釣りという、船尾の勝原大喜さん(橿原市)の竿が、海面に突き刺さるアタリで、88センチを仕留めると「いきなりいいのが釣れました。青物の引きは強烈で楽しいですね」とにんまり。

さらに左舷では、宮岡功さん(八尾市)が85センチ、石川直樹さん(同)が86センチを釣り上げるなど、約1時間で7匹の寒ブリが竿を曲げ、さらなる大物への期待も膨らむ。その後も、船長の巧みな操船で、寒ブリの反応を探り、1流し1匹ペースで数を伸ばしていった。

そして納竿前、この日一番の見せ場がやってきた。宮岡さんの竿に前アタリが来た瞬間、竿先がドンと勢いよく海中に突き刺さった。今までにない強烈な引き。電動リールも時折空回りするほどの締め込みに、周りもメーター級の期待が高まり、ファイトを見守る。

数分間の格闘の末に上がってきたのは、なんと丸々と肥えた90センチ、92センチのダブルだった。寒さも吹き飛ぶ豪快なファイトを堪能した宮岡さんは「90センチ級のダブルが釣れるなんて、最高です。次はメーター超えを釣りたいですね」と興奮気味に話してくれた。そして、正午前に納竿となった。

竿頭は宮岡さんで85~92センチを5匹。船中では同型15匹の全員安打を達成。また若船長の船も、船中で83~95センチを19匹仕留めており、双方とも大満足の釣行となった。みなさん寒ブリを釣るなら今が狙い時ですよ。【中村和嗣】

【今後の見通し】ベイトが釣れ続く限り、寒ブリ狙いで出船予定。ベイトが大きいのでメータークラスも期待大。また、餌になる寒サバ、マルアジ、平アジも30~40センチで土産にもできる。

【問い合わせ】千代丸【電話】0738・23・1621。乗合船料1万2000円(仕掛け1つ、氷付き)。集合時間は要確認。

【交通】湯浅御坊道路の御坊ICを出て右折。野口新橋を渡って野口新橋西詰を左折。日高川沿いに河口へ走り、天田橋北詰を右折。国道42号に入り、2つ目の名屋町3丁目北の信号を左折。500メートルほど進むと千代丸の乗船場がある美浜新港に出る。