東京湾のアジのバチコンが面白い。正式名称は「Virtical Contact(バーチカル・コンタクト)」。ソフトルアーのワームをジグヘッドに付けて船下に垂直に落とし込んで誘うと、アタリがダイレクトに伝わる。

横浜市の金沢八景「太田屋」(太田一也船主=56)で開催された2024第2回釣りちゃんカップでは、バチコン初挑戦のモデル利水つばさをはじめ、ルアーマン9人が30センチを超えるメガアジ、40センチを超えるギガアジをヒットさせていた。

利水つばさ(手前)はバチコン初挑戦で釣り上げたギガアジをタモ入れしてもらい大興奮
利水つばさ(手前)はバチコン初挑戦で釣り上げたギガアジをタモ入れしてもらい大興奮
バチコン組のロッドはギガアジがヒットすると弓なりにしなった
バチコン組のロッドはギガアジがヒットすると弓なりにしなった

★今年は当たり年

強烈な衝撃がロッドを持つ手元に伝わる。ひとつテンヤに食った4~5キロの大ダイか、メタルジグにヒットした3キロ級のシーバスのような感覚だ。合わせたロッドが弓なりにしなる。海面を割って出たメガアジがタモに取り込まれた。

太田屋のバチコン部部長、林一輝さん(41)は言う。「今年は当たり年。例年7月スタートのはずが、すでにギガアジが釣れている」。

バチコンでまず肝心なのは、底が分かること。タックルを投入してオモリを着底させる。緩んだラインの糸フケを取ったら、そこからの釣り方はいろいろだ。

林さんによると、


(1)底べったりで小突く。手首を返してアクションを入れ、細かくワームをシェイクさせて止めるの連続

(2)オモリを底に着けたままラインを張らず緩めずアタリを待つ「ゼロテンション(ゼロテン)」

(3)マルイカ釣りのように大きくアオって落として止めるを2~3回した後、10メートルほど上げてワームを1度アジの視点から外して落とし直す


あとは、それぞれの好みやこだわりでいい。これと言った正解はなく、その日の海とアジの状況で変化するから。

ゼロテン釣法でギガアジをゲットした橋本健太朗さん
ゼロテン釣法でギガアジをゲットした橋本健太朗さん

左舷胴の間、橋本健太朗さん(49)はゼロテン釣法だった。イシモチ釣りで試す方法だ。穂先が突っ込んだり、ラインが不意に横走りするなどの変な動きに注意してアタリを判断した。時折ロッドをアオってワームを上げ、また落とすなど、「誘って、止めて、見せて、掛けての繰り返しでした」と話した。

時折タタキも入れてギガアジをヒットさせた市川和樹さん
時折タタキも入れてギガアジをヒットさせた市川和樹さん

左舷ミヨシから3番目の市川和樹さん(31)はゼロテンに加え、カワハギのタタキ釣りよろしく、ロッドを激しく上下させた。「自分のやりたい釣り方をしています」と言う。

阿部順一さんが真っ先にギガアジをゲット
阿部順一さんが真っ先にギガアジをゲット
アタリを逃さずギガアジ確保の石井亜紀夫さん
アタリを逃さずギガアジ確保の石井亜紀夫さん

右舷ミヨシ2番手の阿部順一さん(56)は手首のスナップを利かせたシャクリで獲物の目線を1度大きく外し、再度落とし込んで食わせた。同3番手の石井亜紀夫さん(48)は、「モゾモゾとしたアタリがあったので、30センチほどラインを送り込んで聞き合わせた」と振り返る。

活性が低くアタリが小さい時のシロギスでよくやる合わせ方だ。ほかにも、タチウオのルアー釣りのようにサオを1回シャクってリールを1回巻く「ワンピッチワンジャーク」で食わせた人もいた。


★確実に1匹ずつ

使うロッドもいろいろ。バチコン専用ロッドがあればいいが、キスザオなら張りがあって先調子でアタリが取りやすい。使うオモリが水深や潮の速度によって15~30号(約56~113グラム)なので、メタルジグ100~150グラムまで対応可能なグラスロッド系で軟調のライトジグロッドもちょうど合う。シャクリを想定して、フグのカットウ釣り用のサオを使う人もいる。


「自分で試してヒットパターンを探り、戦略を見いだすのが面白い。奥が深いと思いますよ」(橋本さん)。バチコンは、サビキ釣りやLT(ライトタックル)と違い、確実に1匹ずつ釣る。知識と経験に裏打ちされた引き出しの多さが問われる、総合力の釣りでもある。【赤塚辰浩】]

人生最大のギガアジをヒットさせて笑いが止まらない利水つばさ
人生最大のギガアジをヒットさせて笑いが止まらない利水つばさ

■林さんのアドバイス「バランス考え逆ダンがいい」

◆ワーム 長さ2~3・5インチ(約5~8・8センチ)。浮力のあるタイプがアジにアピールしやすい。メーカーにより浮力や硬さが違うので注意。色は少なくともクリア、グロー、ケイムラ、チャートの4種類用意。先端の軸は太め、後ろの軸が細くなるピンテールワームが主流。

◆ジグヘッド 0・2~0・4グラム。フック(針)は♯6~10。水切りをよくするため、針先を出す。

◆オモリ 太田屋の推奨は25号。15、20、25、30号とあるといい。

◆タックル リールはスピニングでもベイトでも可。ラインは0・6号推奨。ショックリーダーはフロロ2~3号を1・7メートル。ジグヘッドに直結。枝スは10~20センチ。枝スの長さを考慮して、ハーフピッチで捨て糸(フロロ1・5号、長さ2メートル)を結ぶ「逆ダン(逆ダウンショット)」にする。みつまたサルカンを使うダウンショットもあるが、「サルカンが重すぎる。タックルのバランスを考えて逆ダンがいい」(林さん)。


▼船宿「太田屋」=【電話】045・782・4657。LTアジは午前船が6時半集合、7時15分出船。午後船は午前11時45分集合、午後0時15分出船。エサ・氷付きで6500円。1日通しの場合は9800円。バチコンはLTアジと同船。釣り座を分けるため、予約の際に必ず「バチコン希望」と伝える。バチコンのレンタルはないので、タックルは各自持参。このほかルアータチウオも午前6時半集合、7時15分出船。9500円。女性、子供は料金割引。今月からマダコも出船中。中乗り、船長見習い募集中。詳細は要電話確認。