怒りには3つのステップがあります。

 第1段階は出来事との遭遇です。電車の中で人がぶつかってきた、帰り際に上司に残業を頼まれた…といった出来事です。

 第2段階はその解釈、意味づけです。お年寄りがふらついて当たったと解釈すれば、心配やいたわりになります。悪意をもってぶつかってきたと意味づければ、第3段階として怒りの感情が湧き上がります。上司の頼みも嫌がらせと解釈すれば、むかつく。意味づけによって、感情は決まります。

 意味づけるとき、癖が出ます。大きく6つに分かれます。1つは「正義思考」です。駐車禁止の場所に車を止めようとしている人がいる。ムカッとし、注意する人は正義思考が強い人です。

 次は「白黒思考」です。この人はいい、あいつはダメと、物事を2つに分けようとする人です。

 3つ目は「俺様思考」です。自分が考えていることが一番正しく、思い通りにいかないと気が済まないという人です。

 4つ目は「自分ルール思考」です。自分のルール、価値観を周囲に押し付ける。始業30分前に出社するという自分のルールを他人にも求め、5分前に来る同僚に舌打ちするタイプです。

 5つ目は「大げさ思考」です。悲劇の主人公のように出来事を悪く大げさに考える。上司に注意されると「何でいつも私だけ」と受け止める人が典型です。

 最後に「天真らんまん思考」です。人は簡単に変えることはできないのに、強く言えば相手を変えることができると思っている人です。癖に気付き、それを修正していけば、イライラは減らすことができます。