わたしが勧める二日酔い対策を説明していきます。

 まずは、飲んだ後にすぐに寝ないことです。飲んだ後にすぐ寝てしまうと、アルコールの分解速度が遅くなるという報告もありますから、翌朝元気に過ごすためには、できるだけ起きておいたほうが良さそうです。つまり夜遅くまで飲み続けていないで、適当なところで切り上げて、家でテレビでも見てしばらく起きていることをお勧めします。

 次に、お酒を飲んでいる間や飲んだ直後、または、翌朝にとることで二日酔いを予防したり、改善できる可能性の高いものを紹介しましょう。

 ▼卵かけごはん 卵に豊富に含まれているアミノ酸は肝臓のはたらきを助け、アルコールの分解を促してくれるといわれています。アミノ酸は熱を加えると変性するので、生の卵がいいでしょう。

 ▼水 アルコールには利尿効果があります。利尿によって脱水を起こすので、水分をしっかり補給することで、次の日のアルコールの残り方が違ってきます。お酒によって失われる体の水分は飲酒量のおよそ1・5倍といわれているので、多めの水を飲むことが大切です。

 ▼ハチミツ ハチミツに入っている果糖(くだものの糖分)が、アルコールの分解を促してくれると報告されています。全米頭痛財団(National Headache Foundation/NHF=本部はシカゴ)も、「二日酔いの頭痛を解決する最も有効な方法」と太鼓判を押しています。

 ▼柿 カタラーゼという成分が、アルコールの分解を促してくれます。生柿でも干し柿でも、効果が期待できます。

 ▼トマトジュース 私が一番お勧めするものです。トマトジュースとアルコールを同時に摂取すると、トマトジュースを飲んでいない場合と比較して、血中のアルコール濃度や体内にとどまる量が平均で約30%減少し、体内からのアルコール消失が50分早まる研究結果も。おつまみに冷やしトマトやトマトを使った料理、あるいはそのままトマトジュースを一緒に飲むと、お酒だけ飲む場合より酔いの回りが緩やかになり、覚めるのも早くなる可能性があるのです。

 ◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビではコメンテーターのほか、「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)など人気番組の医療監修も数多く務める。著書は「今すぐ『それ』をやめなさい!」(すばる舎)「ダイエットはオーダーメイドしなさい!」(幻冬舎)「ねぎを首に巻くと風邪が治るか?」(角川SSC新書)など。気分転換は週2回のヨガ。