医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」がスタートしました。71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆しました。

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第1回「なかなか死ねない時代になった」

ぼくは今も、内科医として外来をしています。「何歳まで生きたいの」と患者さんに聞くと、「先生いつ死んでもいいよ」と、70歳ぐらいの男性はよく言います。

◆人生はけっこう長い

平均寿命とは、今生まれた子供が何歳ぐらいまで生きるのかということですが、これからあとどれぐらい生きるかが大事で、これは平均余命と言います。

70歳前後の人の、元気な25%のグループの平均余命を計算すると、男性は93歳、女性はなんと99歳になりました。60歳前後の元気なグループは、もっとオドロキ。男性95歳、女性は101歳。簡単には死ねない時代になったのです。

◆残酷な老後にしない

「いつ死んでもいい」なんていう中高年男性に限って、脳卒中になった時など、ぼくの経験から言うとなかなか死にません。簡単に死ねないのです。10年近く愚痴や文句を言い続け、家族を困らせるだけでなく、本人も辛い老後を過ごしてしまう。だからこそ面倒がらずに、今こそ生活習慣を少し変えて、脳卒中や認知症にならない生き方が必要です。

◆71歳の医師がやっていること

今年のシリーズはPPH。今まではPPK・ピンピンコロリを目標にしてきました。コロリがどうもゴキブリコロリみたいでかっこよくないので、ピンピンひらり。ピンピン生きて、痛んだり苦しんだりしないで、ひらりとあの世に行きたいという自分の願望に沿って、71歳の医師、鎌田自身がどんな注意をしているかを書いていこうと思います。

面白いと思ったら是非切り抜いて繰り返し読んでみてほしい。さあ始まりです。

◆鎌田實(かまた・みのる)1948年(昭23)6月28日生まれ、東京都出身。東京医科歯科大医学部卒。長野・諏訪中央病院院長で「健康づくり運動」を実践。脳卒中死亡率の高かった長野県の長寿日本一に貢献した。04年からイラク支援を始め、小児病院へ薬を届けたり北部の難民キャンプ診察も続ける。コメンテーターなどで活躍する他、文化放送「鎌田實×村上信夫 日曜はがんばらない」(日曜午前10時)に出演中。