医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」がスタートしました。71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆しました。

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第4回「骨粗しょう症はもはや国民病」

◆ふせごう骨粗しょう症

骨が弱くなって介護保険の世話になる人が多い。骨粗しょう症は、日本人で1000万人いると言われています。もはや国民病です。

◆寝たきり予防は骨活

46年間、内科医として仕事をしてきました。腰が曲がっていたり、腰痛やひざ痛を抱えた中高年が多いのです。原因の多くは、骨粗しょう症です。

骨粗しょう症があると、くしゃみで肋骨(ろっこつ)骨折を起こしたり、尻もちで、背骨の圧迫骨折を起こしてしまう。寝たきりになりたくなければ、骨を強くすること。

高齢社会白書(19年)によると、65歳以上の要介護者の36.5%は、骨・筋肉・関節いずれかの衰えにより要介護となっています。

◆階段をドンドンと下りる

ぼくは冬が大好き。朝一番でスキー場へ。日光に当たる。朝、太陽に当たることは、とても大切。骨を強くするビタミンDが働きやすくなるのです。

スキー靴を履き、スキー板を担いで、階段を上り下りする。下りる時は特に、ドカンドカンと骨に刺激を与えながら下りていく。すると、オステオカルシンというホルモンが出ます。このホルモンは、血糖値を下げることが証明されており、かつ、メタボリック症候群を予防するアディポネクチンが分泌され、メタボが改善されます。血糖値が下がれば慢性炎症が起きにくくなり、動脈硬化や認知症のリスクを減らすのです。病院の中を移動するときも、階段をドカンドカンと下りるようにしています。

皆さんもぜひ、駅などで階段を下りる時は、骨を意識して、ドンドンと下りてみましょう。