医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」を展開中です。71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆。

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第8回「脂肪肝に注意 慢性炎症が怖い」

緊急事態宣言が出て、家にいる時間が当然長くなる。すると食べ過ぎと飲み過ぎが起きやすくなります。こんなとき怖いのは、慢性炎症。動脈硬化は明らかに慢性炎症が原因です。ここから脳梗塞も、心筋梗塞も起こってしまうのです。細胞のがん化も慢性炎症が関係しています。認知症も実は慢性炎症が関係しています。

◆脂肪肝を放置するな

慢性炎症の代表的なものに、脂肪肝があります。日本では、1000万~2000万人の潜在患者がいると推定されています。症状がないため気がつかないまま放っておかれることが多いのですが、そのままにしておくと、4~8%が慢性肝炎に移行し、さらに肝硬変から肝がんになると言われています。

◆アルコール性脂肪肝

肝臓がんの原因は、今まではB型肝炎やC型肝炎ウイルスがほとんどでしたが、ウイルスと関係ない、脂肪肝が原因の肝臓がんが30%を越すようになってきました。アルコールに起因した脂肪肝も多いのですが、原因がアルコールであろうが、肥満や糖尿病だろうが、結局、大切なのは運動です。

◆スクワットがおすすめ

佐賀で行っている「鎌田塾」の塾生1000人ほどが集まる講演会で、昨年、久留米大学病院消化器病センターの川口巧講師と対談をしました。川口先生は、マイオカインという筋肉作動性物質の研究もされています。「鎌田式スクワットとかかと落とし」の実技を見せたところ非常に良いと言っていました。

脂肪肝と言われた人、ぜひスクワットをやってみてください。脂肪肝にもメタボ予防にもいいです。