医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」を展開中です。71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆。

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第17回「悲しい、新型肺炎の死」

◆美しい死

新型コロナウイルスで大騒ぎの中、監督の大林宣彦さんが亡くなりました。生前、「余命半年と言われた。モノづくりをする人間は何でもプラスにする」と言っていました。死の告知を受けた後も、新作の映画づくりに自分の命を懸けました。最後まで、人生を全うされたように思います。コロナがないことが大事なのです。監督の生き方、死に方、見事でした。

◆あなたの声が聞きたかった

女優の岡江久美子さんが、新型コロナウイルスで亡くなりました。入院後、家族は1度だけ携帯で連絡をとったきり、17日間、話すことも会うこともできなかった。何を伝えたかっただろう。

志村けんさんが新型コロナウイルスに感染し、人工呼吸器につながれたという厳しいニュースが入って、ファンはとても心配していました。家族は面会することもできないまま逝ってしまった。

志村さんがお元気だった頃、こんなことを言っていました。「笑いというのは、せっぱつまったときに生まれるものだ」。

こんなとき志村さんが元気でいてくれたら、どんな笑いをかましてくれただろうか。今ほど、笑いが必要なときはない。今こそ、志村さんの声が聞きたい。

◆物理的距離を保とう

新型コロナウイルス肺炎は、残酷です。うつらないように、うつさないように、しなければなりません。

ワイドスクワットや、かかと落としなど、家の中でできる運動をする。自然免疫を高めるために、1日1回太陽に当たる。この時、物理的距離は常に注意する。規則正しい食事。太り過ぎないこと。腸に良い野菜と発酵食品を食べるように心がけています。コロナに負けない生き方をしましょう。