医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」を展開中です。71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆。

◆高血圧者はコロナに注意

厚生労働省の3年ごとの調査によると、高血圧患者数は993万人。WHOの発表によると、高血圧の人は、コロナによる致死率が8・4%ととても高いのです。今こそ、生活習慣で血圧を下げましょう。

◆高血圧は認知症のリスク

高血圧は、認知症リスクの一つでもあります。米国ジョンズ・ホプキンズ大学の研究では、血圧が140/90ミリHgを超えると、正常血圧の人よりも認知症リスクが49%高まることがわかりました。

◆まず行動変容

ぼくは3年ほど前、血圧が136/84ぐらいでした。高血圧の診断基準は「収縮期血圧140以上」または「拡張期血圧が90以上」です。ぼくの場合は高血圧とはいえないものの、生活習慣を変える行動変容で、正常血圧を目指したほうがいいボーダーラインになっていました。もちろん薬で下げる必要はありません。

上の血圧120未満

ちなみに、日本高血圧学会のガイドラインでは、120/80未満を「正常血圧」として、これを上回るすべての人は、生活習慣を改善したほうがいいとしています。

この根拠の一つになったのは、米国オハイオ州ケース・ウエスタン・リザーブ大学などのメンバーによる研究論文。上の血圧120未満を目指す厳格降圧治療グループと、140未満を目指す標準降圧治療グループに分けて比べたところ、心不全リスク、全死亡リスクにおいて、厳格グループのほうが低いことがわかったのです。

認知症には、脳血管疾患が原因で起こるものもあるので、やはり正常血圧を目指すことが、認知症予防につながると考えられます。新型コロナにかかっても、重症化させないためにも、血圧を少しでも下げておきましょう。