医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」を展開中です。

71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆。

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第28回「週2回以上は、青魚を食べる」

◆魚の油が脳を活性化

肉大好きのぼくは、ステーキやトンカツをよく食べますが、選べるときには、できるだけ魚を一緒に注文することにしています。特に青魚といわれるサバやサンマ。イワシには、DHAやEPAというオメガ3脂肪酸がたくさん含まれているからです。

人の名前の記憶が弱くなった鎌田は、茅野市の「勝味庵」に行くと、ヒレカツ単品と、みそ汁、イワシのタタキを注文します。ご飯は頼まず、山盛りキャベツをおかわり。どれもおいしくて、最高の組み合わせ。こういうお店を探すといいですね。ここのオヤジさんは、日刊スポーツを愛読していて、鎌田流健康法を守ってくれています。コロナ自粛中はお弁当にしてもらっています。

◆子どもや若者にもぜひ

オメガ3脂肪酸は、動脈硬化を防いで、血液の流れを改善する効果が知られています。脳の神経細胞の育成や維持にも関係が深い。イギリスの脳科学者マイケル・クロフォード博士は、日本の子どもの知能が高いのは、魚を食べているからと言いました。最近の調査で日本の子どもの学力が下がっているのは、魚を食べなくなったからかもしれません。

また、京都大学の研究では、DHAがアルツハイマー型認知症の進行を抑え、神経細胞の老化も抑える働きがあると言っています。

◆良い油を逃さないように

ぼくは、週4~5回、魚を食べています。DHAとEPAは青魚以外にも、マグロやウナギ、サケなどにも含まれています。DHAは加熱に弱いので、生の刺し身が一番です。マグロ(トロ)の刺し身なら2~3切れで十分。魚の鍋やスープもグッド。魚の缶詰など、煮汁も一緒にとるものもおすすめです。

コロナとの闘い中に認知機能を落とさないために、青魚に注目です。