医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」を展開中です。

71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆。

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第30回「スプーン一杯で記憶力を改善する最強オイル」

◆オメガ3がいい

30年ほど前、減塩の健康効果について講演をしたときのことです。「鎌田先生の話はタメになった」とみんな喜んでくれ、ぼくもやりがいを感じました。しかし、講演の後、みんなでお茶を飲み始めたとき、野沢菜の漬物にしょうゆをドバドバとかける姿を見て、がくぜん!

しょうゆをドバドバかけるあしき習慣に替わって、鎌田が勧めたいのは、食べる直前にオメガ3のえごま油かアマニ油をサッとひとかけすること。

◆えごま油は、食べる直前にサッとひとかけ

えごま油に多く含まれる成分「α-リノレン酸」は、体内に入るとDHAやEPAに変わり、脳の神経細胞を活性化させるのです。味も、においもほとんどありません。魚が食べられないときでも摂取しやすく、少量ですみます。しかも、固形物と違い、油は摂取してから身体に吸収されるのが早いです。熱に弱く酸化しやすいので、食べる直前に加えてください。量は、1日小さじ1杯が目安です。コロナ自粛中に認知機能を低下させないために、オメガ3に注目してください。

◆炒め物にはオリーブオイル

ぼくは、ほうれん草のおひたしや豆腐、サラダ、みそ汁、野菜ジュース、ヨーグルトなどにかけています。DHAが少ない白身の刺し身は、オリーブ油と黒コショウ、レモンをしぼって、カルパッチョにすると立派なごちそうになります。脳の神経細胞同士のつながりを強めるタンパク質と一緒にとると、より効果を発揮します。オリーブオイルもまあまあいい油です。えごま油より火に強いので、炒め物には適しています。