医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」を展開中です。 71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆。

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◆見た目が勝負

南デンマーク大学の面白い研究があります。双子1826例の、身体機能検査や認知機能検査、老化のバイオマーカーとなる白血球のテロメアの長さなどを追跡調査したものです。

テロメアは、DNAが分裂する際の、のりしろのようなもので、分裂を繰り返すたびに短くなります。寿命がわかると言われています。

◆コロナに負けない若々しさ

遺伝子的に近い双子でも、長年の生活習慣や環境などによって外見も少しずつ違ってきます。この研究では見た目が老けている方が、身体機能や認知機能が低くテロメアの長さが短いということがわかりました。肌のシミやシワは皮膚の下の毛細血管の状態にも関わっています。血管が若々しければ当然肌や見た目の若々しさも保つことができます。美と健康はつながっているのです。

コロナ自粛中、パジャマで過ごす時間が長くなったと思いますが、あえて今、ビシッときれいにしてみましょう。

◆鎌田、モヒカンに挑戦

少し前の話ですが、カリスマ美容師が進行した悪性リンパ肉腫になりました。彼は病気と闘いながら、福祉施設で子供たちの髪形をかっこよくカットしていました。

彼の状態が良くなったら、ぼくの髪を好きなようにカットさせると約束をしました。一時的に状態が落ち着いて、約束を守る日が来ました。なんとソフトモヒカンにするというのです。しかも髪を染めて!

しかしぼくの髪は弱く、ハードポマードを使っても立ち上がらず、中途半端なソフトモヒカンになりました。でもとても楽しい時間でした。彼はプロとして、鎌田を若々しく見えるよう考えてくれたのだと思います。

認知機能のためにも、コロナとの闘いのためにも、「見た目」が大事です。