医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」を展開中です。

71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆。

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◆ワーキングメモリーをアップさせよう

コロナのために3密を避けていると、認知症が増加するのではと心配しています。今回は短期記憶に注目します。

◆短期記憶が重要

ワーキングメモリーは、短期記憶のことで、作動性記憶とも言います。12+13など暗算するときも、ワーキングメモリーが働いていますし、本を読むときも、5行くらいの文章を短期記憶させながら次へと読み進んでいくので、ワーキングメモリーが必要です。このワーキングメモリーは、年齢とともに低下しやすくなります。

◆鎌田の短期記憶が危ない

ぼく自身も、ワーキングメモリーの衰えを感じることがあります。小説を読んでいる時、登場人物の名前が思い出せず、もう1度ページを前に戻して確認、なんていうことも起こります。そこで、鎌田は何をしているか。

◆日刊スポーツを利用する

<1>新聞を読んで、印象に残った単語を4つ思い出す。ぜひ日刊スポーツでやってみてください。

<2>カラオケで、歌詞を見ないで歌う。とはいえ、ぼくがカラオケをする機会があまりないので、詩集の一部を暗唱するようにしています。例えば、田村隆一「帰途」より、「言葉なんか おぼえるんじゃなかった 言葉のない世界 意味が意味にならない世界に 生きてたらどんなによかったか…」 認知症の世界と混ざり合って、笑ってしまいます。

<3>前日の食事を思い出す。昨日いちばん楽しかったことを思い出すなど。これらはいつか忘れてしまってもいい記憶。忘れてもいいのだけど、あえて記憶することと、その上で思い出し、取りだして、話したり書いたりすることが、ワーキングメモリーアップのためには大切です。コロナ自粛中に短期記憶を落とさないようにしましょう。