今日から新しい連載が始まります。北里大学北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟氏が、「ウィズコロナ時代」のロカボ(緩やかな糖質制限)について解説します。ロカボの語源は「Low(低い) Carbohydrate(炭水化物などの糖質)」。新型コロナウイルスとの共生で新しい生活様式が求められる中、食事に気を付けながら、毎日楽しく食べて健康になりましょうと、勧めています。

  ◇    ◇    ◇

新規感染者数に一喜一憂し、アウトブレークが起こらないか懸念する、不安な毎日が続いています。ワクチンや画期的な治療薬が開発される日まで続く、ウィズコロナの時代です。

この3、4カ月で、テレワークであったり、キャッシュレス化であったり、電車内での距離やお酒の飲み方まで、変わらないと思われていたものが一気に変わり、新しい生活様式が定着しました。

個人的には二層に分かれてきたように感じます。今まで、どの人も忙しく、仕事に追われていたのが、通勤時間がなくなって自分の時間が取れるようになった人と、変わらない人。早寝早起きになりウオーキングをするようになった人と、家にいると動かず、コロナ太りしてしまう人。健康的なコロナ生活と不健康なコロナ生活に分かれてきています。

全国で34・6%、東京23区では55・5%が経験したテレワークで、体重が増加したと回答した人は36・5%(男性30・4%、女性42・7%)いました。新型コロナでは、重症化のリスク因子として高齢、慢性呼吸器疾患などとともに、肥満、高血圧、心疾患、糖尿病などメタボリックドミノにかかわるものが挙げられています。

肥満やメタボリックドミノにより気を付けなければならない、ウィズコロナの時代だからこそ、お勧めしたいのがロカボ(ゆるやかな糖質制限)です。ロカボは、カロリーを気にすることなく、タンパク質と油(脂質)はしっかり摂取し、糖質だけを抑える食事法です。減量効果があり、血糖をコントロールし、中性脂肪を下げます。おいしく楽しく食べて健康になりませんか。

◆山田悟(やまだ・さとる)1970年(昭45)、東京生まれ。慶応大医学部卒。糖尿病専門医として多くの患者と向き合う中、カロリー制限による食事療法の限界に直面し、ロカボを提唱している。「糖質制限の真実」「カロリー制限の大罪」(ともに幻冬舎新書)など著書多数。