コロナ自粛に伴い、運動不足や食生活の乱れ、通院をやめるなど、健康に悪影響を及ぼすような状況に陥っている人は少なくない。新型コロナ予防は重要だが、生活習慣病などの健康管理も大切といえる。そこで、Withコロナでの健康管理について考えていく。

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新型コロナで生活環境などが変わり、ストレスを感じている人は少なくない。「GoToトラベル」や「GoToイート」などでストレス発散ができればよいが、状況が許されないことも。そんな人が、高血圧を放置していると危険だ。

「血圧には日内変動があり、朝は身体活動を活発にするため、起きる前から血圧は上がります。ストレスを抱えていると、血圧の急上昇を起こしやすい傾向があるのです。それが心筋梗塞や脳卒中につながります」と、東京都健康長寿医療センター副院長の原田和昌医師。

人間の身体は朝起きて活動的になると、心拍や体温、血圧が上がる仕組みがある。夜眠るときには、いずれも逆に低くなる。高血圧の人は、夜間に低くなるはずの血圧が下がりにくいのだ。また、夜間に塩分を尿と一緒に排出する腎機能の働きが弱まるため、塩分過多の食事をしていると夜間の高血圧につながる。結果として、夜間に血圧が高い状態のまま、早朝、さらに血圧が上昇する「モーニングサージ」を引き起こす。それを後押しするのがストレスだ。結果、明け方や午前中に心筋梗塞や脳卒中を引き起こすことにつながる。

「朝起きたときの家庭血圧測定で、135/85ミリヘクトグラム以上の人は、夜間高血圧の可能性があります。日頃から食生活の見直しや降圧薬による血圧コントロールをしましょう。冬場は血圧変動を起こしやすい時期なので、特に注意が必要です」血圧管理に加えて、ストレス発散もお忘れなく。