<19>『日にあたる時間が減って眠れない』

コロナ禍のテレワークでは、出勤がなくて便利だが、朝起きたときに「だるい」「ねむい」と感じ、パソコンに向かっても集中力が散漫といった場合がある。このようなことが、40代前後から起こりやすいという。

「加齢とともに睡眠の質が変わってきます。深い眠りが浅くなり、身体を休めるレム睡眠が減ることで、睡眠の質が低下しやすいのです」とは、杏林大学名誉教授の古賀良彦医師。数多くの睡眠障害の診断・治療・研究を行っている。

睡眠は寝入った直後に、脳を休める深い眠りのノンレム睡眠、次に身体を休め、脳の記憶の整理などを行うレム睡眠が訪れ、睡眠リズムを形成している。加齢とともにこれが崩れやすいのだ。それに拍車をかけるのが、コロナ禍の生活リズムの乱れといえる。

「寝るために必要な睡眠に関わるホルモンは、朝日を浴びることで分泌が抑えられて、しっかりと覚醒します。日が当たる機会が自宅でのテレワークで失われ、逆に、夜遅くまでスマートフォンなどの強い光を見ることで、睡眠リズムが乱れやすくなっているのです」

睡眠リズムが乱れると夜の寝つきが悪くなる。ついスマホのSNSやゲームを楽しみ、さらに眠れなくなる。ようやく寝ついても、夜中に目が覚めてしまうことも…。朝起きれば寝不足なので頭はボーっとし、仕事への意欲も低下する。

「テレワークでも朝は決まった時間に起きて、朝日や強い光を浴びましょう。夜スマホを見るのではなく、朝見るのがお勧めです」