■幸せのおすそ分け

幼い頃、貧しい家庭で育ちました。たまに頂きものがあると、ぼくはうれしかった。1人っ子のぼくがいっぱい食べるぞと思っていると、母は必ずご近所にお裾分けしました。

大事なことを母から教わりました。苦しい自己犠牲で人を助けなくてもいいけど、突然幸せがやってきた時、ほんの少しお裾分けしてみると、幸福感が増すことを教えられました。

■独り占めしないこと

独り占めしない方が、幸福は回転しはじめる。重い心臓病と貧乏にもかかわらず、いつも幸せそうにニコニコして、血のつながっていないぼくを育ててくれた母でした。

■幸せ感を持とう

ハーバード大学の学生たちを卒業後16年間追跡調査した研究があります。大学に通っている時に幸福感が強かった学生は、悲観的だった学生と比べ、その後の生涯収入が年収換算で2万5000ドル、約270万円も多かったというのです。えらい違いです。

幸せだと思っている人のところに、人は集まってきます。応援も多くなります。例えば起業しようと思った時に、出資してくれる人が出てきたり、有能な人材を紹介してもらえたり。

自分自身が幸福感を持ってニコニコして、幸せのお裾分けをしていることが、新しいサポートを生み出し、たくさんの手助けをもらえることになるように思います。

自分のためにだけ生きていると、幸せは回ってこない。ここが幸せの不思議なところです。幸せのお裾分けを忘れるなよと、母の教えを自分に言い聞かせて生きてきました。