先日、TM NETWORKのコンサートに行きました。中高生の頃にさんざん口ずさんだ楽曲から最近リリースされたものまで、色あせない演奏とパフォーマンスは圧巻でした。まさに「人生100年時代の象徴」ともいうべき先輩方の姿からたくさんの勇気をいただきました。

世界に先駆けて超高齢社会を迎える我が国は、2024年に50歳以上が全人口の半分を超える見込みです。1950年ごろの東京が舞台の「サザエさん」は皆さんなじみの深いテレビアニメだと思いますが、磯野浪平さんは54歳という年齢設定です。なんと、TMのお三方より10歳も年下だとは…。にわかには信じられない話です。

しかしながらこの数十年で寿命は劇的に変化し、今の50~60代は昔に比べるとまだまだ若く、いろんなチャレンジができる時代になったのだということがこうした比較からもわかります。

「いかに晩年を健康に過ごせるか」は人類全体のテーマでありますが、いわゆる「健康寿命」を左右するのが口の衰え(オーラルフレイル)であるという事実も広く認知されるようになりました。かんだり飲み込んだり話したりといった口の機能低下は、身体全体の中でも早期の老化サインであると言われています。滑舌が悪くなると、社会活動や他者との関わりが少なくなります。

かむ力や飲み込む力が衰えると栄養バランスの良い食事がとれず、筋力や認知機能の衰えを招きます。コロナ禍でなかなか難しい場合もありますが、フレイル予防として最も簡単に取り組めることのひとつが、周りの人とのおしゃべりです。会社勤めをしていた男性は、定年後の交流に差が出てくるという調査データもあります。連れだって歩く女性グループは見かけるが、3人以上の男性というのは非常に珍しい。だからこそ、積極的に外に出る意識が大切なのだそうです。