酷暑の夏を経て、朝晩の温度差の激しい秋から冬を迎え、寒暖差によって自律神経がダメージを受けやすい。寒暖差による症状は、冷え症、頭痛、めまい、全身倦怠(けんたい)感、不眠など多彩だ。

「ひとつひとつの症状に対して別々の医療機関を受診した結果、複数の薬を服用して副作用が生じることがあります。だるくて朝起きられない患者さんもいて、薬をいかに減らすかというのも重要になります」とは「せたがや内科・神経内科クリニック」(東京都世田谷区)の久手堅司院長。自律神経失調症外来で患者を数多く診ている。

「頭痛、不眠とひとつの症状だけを何とかしようとすると、対症療法になって薬が増え続けます。根幹に自律神経の乱れがあるならば、それを治すのが先決です」

自律神経の乱れは、規則正しい生活や十分な睡眠、ストレッチなどの軽い運動が有効という。

「だるくてつらい患者さんの首や肩を触ると、ガチガチにこっていることが多い。それが不調の根源のこともあります」

症状によって合うストレッチは異なるが、首こりをリセットする方法は次の通り。<1>姿勢を正してまっすぐ立ち、胸の下の横隔膜あたりに両手を置く。<2>1mぐらい先を見て、息を軽く吸いながらゆっくり上を向く(首に痛みがあるときには無理をしないこと)。<3>息を吐きながらゆっくりと首を戻す。

「自律神経の乱れに関わる体調不良は、薬を飲んで休んでいるだけでは治りません。原因を知り、適切な対処をすることが大切です」と、久手堅院長はアドバイスする。(おわり)