会社に出勤してデスクに座っているのに、頭の中はまだ夢の中。午前中ぼーっとしているサラリーマン、いますよね。これは、自分の体内時計と、社会のリズムが合わない「社会的時差ぼけ」の状態です。

体内時計の周期は24・5時間。実際の1日より0・5時間ほど長いのです。そのうえ、体内時計を乱す習慣やシフトワークなどが加わると、ますます「社会的時差ぼけ」が大きくなっていきます。その結果、働いている時間に眠くなったり、夜眠れず、十分な睡眠時間を確保できなくなったりするのです。

<体内時計のリセットに欠かせない2つの習慣>

体内時計は毎朝リセットして、ズレた時間を補正する必要があります。そのために次の2つの習慣をしっかり守りましょう。

<(1)朝、太陽を浴びる>

朝、太陽の光を浴びると、体内時計がリセットされます。また光を浴びることによって、睡眠を誘発するメラトニンの分泌が抑制され、同時にセロトニンが分泌されます。セロトニンは睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの材料なので、夜になるとメラトニンの分泌量が増えてよく眠れるようになります。

<(2)朝食をしっかりとる>

朝食をとると、血糖値が上がり、代謝にかかわる体内時計が動き出します。朝食でとったエネルギーは日中の活動に使われるため、日中の充実度を高めます。

不登校になった子どもなども、まずはこの2つの習慣が大切です。少しずつ体が整い、学校へ行くパワーが出てくるでしょう。(医師で作家・鎌田實)