睡眠を促すのは、メラトニンというホルモンです。メラトニンは、脳の松果体という部位で、幸せホルモンのセロトニンを材料に作られます。

セロトニンは朝、太陽が上がると分泌されるので、朝、太陽を浴びてセロトニンを増やしておくと、起床から15時間前後のタイミングで、メラトニンに変わるというわけです。

そして、明け方メラトニンの分泌が減ってくると、覚醒に向かいます。睡眠・覚醒リズムをつくっているものの1つが、このメラトニンの増減の波なのです。

<肉や魚でトリプトファンをとる>

メラトニンは睡眠に作用するだけではありません。強い抗酸化力があるといわれ、動脈硬化や老化を防いでくれることがわかっています。

メラトニンを増やすには、日中に太陽に当たり、楽しいことをしてセロトニンを増やすことが第一です。

セロトニンの材料となるトリプトファンという必須アミノ酸を取ることも大事です。トリプトファンは、牛レバーや豚ロース、鶏もも肉、カツオ、まぐろ、イワシ、イクラ、大豆、豆腐、牛乳、チーズ、バナナ、アボカドなどに含まれています。

また、セロトニンはリズミカルな軽い運動をすることでも増加します。リズムよく手を振って、ウオーキングをしましょう。

肉や野菜、豆などをおいしく食べて、体を動かす。これが、いい睡眠につながるということです。(医師で作家・鎌田實)