肝臓病でよく知られているのは「ウイルス性肝炎」「アルコール性脂肪肝」「非アルコール性脂肪肝」で、これらが進行すると「肝硬変」や「肝臓がん」を発症します。今回は肝硬変に注目しましょう。
肝炎や脂肪肝を放置していると、肝細胞は破壊、修復を繰り返し、線維と呼ばれるたんぱくが肝臓に蓄積し、線維化するのです。つまり、肝機能がどんどん低下していきます。この状態が肝硬変です。
日本は、ウイルス性肝炎でも特にC型肝炎ウイルスからの肝硬変が多かった。世界的には「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」が多いと言われており、肝硬変の原因の59・5%がNASHです。いかに肥満の人が多いかがわかります。日本でもNASHによる肝硬変の比率が、この10年で2・1%から5・8%に増加しています。非アルコール性脂肪肝の段階で治療すべきなのですが、肝臓は「沈黙の臓器」と言われるだけあって症状が出にくいという難しい点があります。ただ、肝臓の最終段階の肝硬変となると症状は出てきます。
その症状の1つが「手掌紅斑」で、手のひらの親指と小指の付け根のふくらんだあたりが赤くなります。誰でも赤いのですが、その赤さが強く境界が鮮明なのです。次に「クモ状血管腫」。これは前胸部や首に5~15ミリ程度の赤い斑点ができますが、よく見ると細い血管の枝が四方八方に伸びているのがわかります。クモが足を広げているようなので、クモ状血管腫と言います。「黄疸(おうだん)」は白目や皮膚が黄色くなる状態。これは、肝臓が黄色い色素のビリルビンを代謝できなり、それが血中にたまるからです。そして、合併症としてよく知られているのが「食道・胃静脈瘤(りゅう)」です。これは次回に--。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)

