「膀胱(ぼうこう)がん」は尿をためる膀胱にできるがんです。早期に発見するには、重要なサインの“目に見える血尿”を放っておいてはいけません。その血尿は、膀胱がん以外の「腎盂(じんう)・尿管がん」でもサインとなっているからです。男性に多い膀胱がんは、5%程度「腎盂・尿管がん」を合併していることがあります。もちろん、腎盂・尿管がんが単独で発症するケースもあります。
腎盂と尿管は、膀胱と同じく尿の通り道です。尿は腎臓で作られ、それを最初に受け止める臓器が腎盂です。尿は腎盂から尿管を通って、膀胱へ流れます。この腎盂と尿管にできるのが腎盂・尿管がんです。腎盂・尿管がんと膀胱がんは、どちらも目に見える血尿が発見の第1歩。血尿で発見されるケースが、どちらも多いのです。
だから、目に見える血尿で泌尿器科を受診して検査を受け、膀胱がんがなかったからと言って安心はできません。私たちは膀胱がんとともに、腎盂・尿管がんも疑って検査をし、見逃しがないように万全を期しています。
もちろん、腎盂・尿管がんは血尿以外の症状が出ることもあります。そのひとつが「背部痛」。腎盂・尿管がんが左右どちらにできたかで、痛む場所が左右違ってきます。また、尿の流れが悪くなることで「水腎症」が起こります。水腎症は尿の通り道や腎臓が尿によって拡張した状態で、背部痛や側腹部痛などが、やはり左右どちらかに出ます。尿管結石が原因のことが多いのですが、ここは主治医としっかり話し合って、原因を突き止めてもらってください。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)

