「膀胱(ぼうこう)がん」が転移している場合は抗がん薬での治療を行います。これは前回取り上げました。その抗がん薬での治療が有効かどうかで、その後の治療が変わります。そこで登場するのが「免疫チェックポイント阻害薬」です。

抗がん薬治療が有効な患者さんには、次に免疫チェックポイント阻害薬の「アベルマブ(バベンチオ)」を維持療法として使います。抗がん薬治療が有効でなかった患者さんには、すぐに「ペムブロリズマブ(キイトルーダ)」に替えて治療をします。キイトルーダで治療をすると10~20%の患者さんに効果があり、中には劇的に効果が出る患者さんもいます。キイトルーダの投与は、3週間から6週間に1回点滴投与します。治療は効果がなくなるまで続けます。一方、維持療法として使うバベンチオは、2週間に1回の点滴投与です。

このほかに、「ニボルマブ(オプジーボ)」も使っています。オプジーボは膀胱がんの手術をした後、膀胱の筋肉にがんが残っている患者さんに術後補助療法として1年間点滴投与をします。4週に1回の点滴投与です。オプジーボで再発を抑えることができ、生存率改善の良い結果も報告されています。

加えて、これから日本でも行えるようになる治療も出てきました。それがオプジーボと「GC療法(抗がん薬のゲムシタビンとシスプラチンを組み合わせて行う治療)」との併用療法です。この治療を化学療法の最初に使うことで“より良い効果が出た”という報告が海外で出てきています。抗がん薬を投与すると、がんが壊れて免疫療法がより効果がある、という考え方です。有効性が高く期待できる治療なので、日本でも2025年4月ごろまでには認可されるのでは、と期待されています。さらに、まったく新しいタイプの薬「パドセブ」が登場。次回はそこにスポットをあてます。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)