病期の治療-最終選択は患者さん自身が行います。これはどんな病気の治療でも同じです。「膀胱(ぼうこう)がん」では、すでにがんが転移している人は「抗がん薬治療」を受けるのが基本。その後に「免疫チェックポイント阻害薬」を継続して受けるか否か、そこがひとつの選択肢になります。抗がん薬が効かなくなっている場合は、悩むことなく免疫チェックポイント阻害薬になります。

ただ、これからの化学療法の選択肢は、ここまでに紹介したように増えるので、どれを選択するかはぐんと難しくなります。2021年11月に登場した抗体薬物複合体(ADC)の「パドセブ」は新しいタイプの治療薬です。この「パドセブと免疫チェックポイント阻害薬の併用療法」を受けることが多くなりますが、「抗がん薬治療」や「抗がん薬と免疫チェックポイント阻害薬の併用療法」の選択肢もあり、悩ましい選択です。

この場合、薬につきものの“副作用”を取りあげて考えるのも大事になると思います。パドセブと免疫チェックポイント阻害薬との併用療法の副作用は、論文などでは抗がん薬治療よりも少ないと報告されています。しかし、「皮膚障害」など厳しい副作用もでてきます。

他の化学療法の副作用もしっかり聞きましょう。悔いが残らないように主治医としっかり話し合い、納得して選択すべきです。

そして、納得して選択した治療を受ける時は、選択した化学療法の副作用を早めに発見するために、どのような症状が出てくるか知っておいてもらいます。体調の変化に気を付け、気になることがあれば、すぐに相談をしてもらうようにしています。これをしっかり行ってください。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)