激痛の発作が起こる「痛風」は、認知度の高い病気です。ところが、健康診断で尿酸値が高いことを指摘されても、気にしない人は多いようです。尿酸値の高い状態が続くのが生活習慣病の「高尿酸血症」で、実はこれが痛風の予備軍です。これからの30回で、痛風患者にならない、なっても上手に痛風を改善するために“尿酸値を下げるコツ”を知ってもらいたいと思います。
日本の痛風患者数は、厚労省の国民生活基礎調査によると、1986年から2016年の30年間で25万5000人から110万5000人の約4倍に急増しています。この傾向は特に男性で顕著に見られ、21万1000人から104万8000人へと約5倍増加しています。
さらに22年の調査では、痛風で通院中の患者は130万人で、男性患者が123万人、女性患者が7万人と、圧倒的に男性患者が多い。また、痛風の予備軍の高尿酸血症患者は、1000万人以上いると推定され、人口の約10%にも及びます。痛風患者の95%が男性で、東京女子医大の報告でも98・5%が男性患者でした。
男女差が大きいのは、尿酸の血液中の濃度である血清尿酸値が重要であり、女性は男性に比べて1~1・5 mg/dl低いことが知られています。そのメインとなる原因は女性ホルモンの影響です。女性ホルモンは腎臓から尿酸の排せつを促す働きがあるからです。閉経後は女性ホルモンの量は減り、尿酸値が高くなる傾向にあり、高尿酸血症のリスクが上がります。そして、高尿酸血症の患者は年々増加していると紹介しましたが、今は、成人男性の約20%にも達しています。男性のあなたは、尿酸値にしっかり気を配りましょう。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)
◆市川奈緒美(いちかわ・なおみ) 東京女子医大膠原病リウマチ内科非常勤講師。1992年(平4)東京女子医大を卒業し、当時の東京女子医大附属膠原病リウマチ痛風センターに入局。痛風をはじめとするリウマチ性疾患の診療に従事。日本内科学会認定医・総合内科専門医。日本リウマチ学会指導医・専門医。

