【金子真仁の獅子担日記11】昨日の質問をわびると、彼は目を見て流してくれた

長期遠征、地方球場…と選手たちには大変な日程が続くライオンズの4月半ば。なかなか状態が上向かないだけに、何とか落ち着きたいところ。月3回の獅子担日記、4月の中編です。

プロ野球

   

■4月10日(金)

西武担当の続投を拝命し、公式戦の日程が発表されたら、まず手帳に試合日程を全て書き入れる。

私は会社員だ。1カ月に確保すべき公休数も設定されている。日刊スポーツに限らず、全ての遠征に帯同取材できるような好景気の時代でもない。頭の中でざっとスケジュールを組む。

必ず出勤したい試合もある。それがこの日だった。福岡でのナイターを終え、午前中の飛行機で羽田空港に降り立ち、1試合だけナイターが行われる大宮へ。割とハードだ。

ハードだからこそ、ここは出勤したい。〝共有〟したいからだ。昨日の夜、福岡のみずほペイペイドームで見送ったチームの人たちと、翌日午後に大宮で再会する。「飛行機、何時でした?」と選手に聞かれた。私が福岡にいたことを、彼は知ってくれていた。

チームとは一線を引くべき仕事だ。ただ、毎日のように顔を見る。友人や仲間ではないにせよ、ある種の〝同志〟的な感覚はこちらにはあるし、チーム側もそれを感じてくれていたら光栄だなと思う。

だからハードな日程こそ出勤したい。本拠地以外での主催試合は大変だ。営業サイドの社員も動く。備品の搬入、撤収作業もある。大変だからこそ「勝てば皆が幸せになる」。

源田壮亮内野手(33)のエラーが決勝点になり、敗れた。皆苦しい。3年前。源田はエラーの試合後、足早に帰ろうとした。この日は私たちの仕事に正面から向き合ってくれた。でもやっぱり、心苦しい取材だった。

4月10日、9回表ロッテ2死満塁、小川の遊ゴロをファンブルし適時失策を許す源田

4月10日、9回表ロッテ2死満塁、小川の遊ゴロをファンブルし適時失策を許す源田

■4月15日(水)

エラーをした源田が11日、12日の攻守で勝利に大きく貢献してやり返した。かっこ良かった。「ここからが本当に大事ですからね」と緩まない。

ところがチームがおかしい。京セラドーム大阪へ移動しての14日オリックス戦は、3つの送球エラー。15日も判断ミスや打球処理での初動での転倒。現状では「優勝」を意識できない。

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1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。