「痛風」で通院されている方は、130万人にも増加しています。その中で、痛風患者の典型的と思われる40代のA男さんのケースを紹介します。
A男さんは会社員で、体格は中肉中背ですが、20歳のころと比べると体重は15キロ程度増えて65キロになり、おなか周りが大きくなっています。タバコは1日20本程度で、お酒はビールが好きで、毎日350ミリリットル缶を3~4本は飲んでいます。定期的に行っている運動はなく、月に1~2度フットサルを行っている程度です。
A男さんは、これまでに大きな病気をしたことはなかったのですが、数年前から会社での健康診断で「尿酸値が8 mg/dlで基準値を超えています。『高尿酸血症』ですよ」と指摘されていました。でも、高尿酸血症について知ろうともしませんでした。
そんなある日、A男さんはフットサルを行った帰りに同僚と居酒屋で食事。ビールジョッキ5杯、ハイボール2杯を飲んで帰宅し、眠りにつきました。ところが、午前2時ごろに右足の親指にむずむずするような違和感が出現し、次第にそれが激痛に--。親指に布団が触れるだけでも痛く、歩くのも困難になったのです。
翌朝、家族の助けを借りて何とか病院を受診。診察時は右足の親指の付け根が大きく腫れていました。問診と診察所見、血液検査などから、医師は痛風発作が最も有力と診断。非ステロイド性抗炎症薬が処方され、2週間後の予約も取れました。A男さんはいつもビールなどを飲んでいますが、痛風発作を起こした日は普段よりグンと酒量が多かったのです。「飲酒量が普段より多いときに痛風発作は起こりやすい」という研究報告があります。
A男さんは痛風発作の痛みにがくぜんとされていましたが、治療はきちっと続けられました。その点は、良かったと思います。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)

